大手製薬、生命保険会社など8社が参加するコンソーシアム「湘南会議」は26日に記者会見を開き、未病ビジネスを共同で開発する考えを示した。メタボリック・シンドロームの中年男性などを対象に、趣味コミュニティや職場を通じて保険や身体トレーニングのサービスを提供する。湘南会議には、アフラック生命保険、SOMPOホールディングス、武田コンシューマーヘルスケア、武田薬品工業、電通、日本生命保険、ライオン、RIZAPグループが参加する。

製薬、保険など大手企業8社が参加する

 未病とは、病気になる前段階で、放置すれば病気に発展する状態のこと。糖尿病や高血圧症といった生活習慣病予防の観点から、近年注目を集めている。未病と考えられる対象者に「早めに生活習慣を改めて病気を防ぎましょう」といったメッセージを発信して対応を促す。医療費負担の軽減にもつながるため政府も後押しする。湘南会議を運営する湘南ヘルスイノベーションパーク(武田薬品の施設)の藤本利夫氏は「健康意識を高めて、発症を防ぐことが社会的にも求められている」と語る。

湘南会議を運営する湘南ヘルスイノベーションパークの藤本利夫氏

 一方で、未病の啓蒙はビジネスにつながりにくいのが現実。未病の指摘を受ける人の多くは健康意識が高くないとされ、一部にはメタボリック・シンドロームや糖尿病の予備群も含まれる。バランスの取れた食事や運動への関心が低いため、生活習慣の改善につながるサービスを用意しても、思うように普及していないのが現状だ。

 湘南会議はこれを解決するため、趣味コミュニティや職場を介してサービスを提供するビジネスモデルの開発を急ぐ。趣味コミュニティでは、スポーツ、ゲーム、アイドルなどのファンに向けて健康増進型保険を提供し、健康になれば限定チケットなどの特典を与えるといったことも念頭に置いている。職場向けとしては、従業員の健康を促すプログラムを提供して、成果報酬を得るサービスなどを想定しているという。19年度以降、まずはスポーツの趣味コミュニティ向けに試験的に開始する予定だ。

 厚生労働省が2018年に発表した調査によると、成人男性の30.7%、成人女性の21.9%が肥満状態にあり、メタボリック・シンドロームの疑いのある人は国内に約2000万人いるとされる。拡大する市場にどう対応するか、今後提供の始まるサービスに注目が集まりそうだ。

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