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(写真:Bloomberg /Getty Images)

 就活情報大手のマイナビ(東京・千代田)は2月26日、3月1日から15日までに予定している合同企業説明会の開催を中止・延期すると発表した。同社は2019年、3月だけで222の会場で説明会を実施した。約23万人の学生と1万5000社を超える企業が参加したといい、今回の中止によって多くの学生への影響は避けられない。説明会に出展予定だった企業の情報をWEBセミナーで公開するなど代替措置の準備を進めているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大による就職活動への影響は避けられなくなっている。就職情報サイト大手「リクナビ」を運営するリクルートキャリアも、既に3月中に開催予定だった合同企業説明会の開催を中止すると発表している。マイナビはそれに続く動きで、ほかの就職情報大手にも同様の動きが広がる可能性も残る。

 「もう就活無理な気がしてきた・・・・・・」。SNS上では、相次ぐ説明会の取りやめに不安を募らせる就活生の書き込みが見られる。就活が本格化する前に多数の内定を獲得できるのは一握り。多くの学生にとって、説明会は企業を知る重要な機会となる。「選考前の社員座談会が中止され、企業の人と話す機会を持てないまま面接が始まってしまう」(地方国立大・3年)など、本選考への影響もじわじわ顕在化してきた。

 就職人気ランキングの上位企業を除けば、説明会の中止は企業にとっても大きな痛手だ。JVC ケンウッドの関係者は「売り手市場の今、黙っていても勝手に学生が来てくれるわけではない。説明会は大事な採用イべントの一つ」と話す。既に大学主催の説明会が中止されるなど、採用活動への影響を受けていると漏らす。

 さらに今年は夏に東京五輪・パラリンピックが控える。説明会の中止や延期を受けても、採用スケジュールを先送りしたくないのが企業の本音だろう。7月に東京五輪が開催されるまでに人材を確保しておきたいと考える企業は多いはずだ。

 一方、「ほとんど影響はない」という就活生も。鹿児島大4年の馬本寛子さんは「合同説明会に参加する予定はなかった。狙っている企業のインターンには既に参加している」と話す。

 そもそも、「大量一括」を前提とした横並びの採用スケジュールは見直しの途中にある。経団連による就活ルールが廃止されて初めてとなるのが、「21年卒」と呼ばれる今の就活生だ。今年は「6月に面接解禁」というルールは政府と大学の主導によって維持されるものの、通年採用など独自の採用活動にかじを切る企業も現れ始めた。

 社員に対して社外イベントの参加禁止をいち早く発表した三菱ケミカルは、自前の採用活動を重視し「いわゆる合同説明会に参加することが少ない」(同社)ため、大規模な企業説明会の中止が採用活動に与える影響は限定的だと言う。

 新型コロナウイルスにより大規模な合同説明会などのリスクが明らかとなった。「お祭り的」な採用スタイルの見直しが進み、より柔軟で効果的な採用活動を模索する動きが加速しそうだ。

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