一方で、職場以外で働くことに対して課題を感じた回答者も多かった。課題として最も多く上がったのは「一緒に仕事をするメンバーとのコミュニケーションが減った」(42.4%)。コミュニケーションの側面では、自由回答でも、「対面が必要な仕事が遅延する」「リモートワークに無理解の相手には結局、訪問して対面商談をする必要がある」とする意見があり、急に全てを非対面にすることの難しさが浮き彫りになった。
次いで、「リモートでは使えないシステムやツールがあり、仕事が進まなかった」と回答した読者も20.8%と多く、設備面での問題も明らかになった。「ビデオ会議やチャットなどのツールを使いこなせなかった」とした読者も8.0%いた。ある回答者は「リモートアクセスの回線数に限りがあったり、リモート時の操作性が良くないなど、IT面での体制が不十分。照会窓口も明確でないなど、IT部門の体制整備が必要」と答え、リモートワークを前提とした体制の脆弱性を指摘する声もあった。
最後に業務上の課題を問うた。「業務時に使うマスクや消毒液が買えない」(54.8%)、「通勤電車や職場に感染の危険性があり出勤したくない」(39.8%)と予防面の選択肢が上位に入ったが、次いで多かったのは「イベントを開催するかどうかの基準が不明瞭だ」(34.2%)、「担当しているイベントやセミナーなどがキャンセル、見送りとなった」(20.8%)とイベントに関する課題だった。
自由回答でも「中途半端な規制ではなく、全てのイベントを延期、中止するなど徹底した規制をしてほしい」として、規制の在り方に関する意見が目立った。 アンケートは、2月24日に国の専門家会議が企業や教育機関に対してイベントなどの変更やリモートワークなど「できる限りの工夫」を求める前のものだが、依然としてイベントに対する明確な規制は発表されておらず、多くのビジネスパーソンにとって判断に迷う状況は続きそうだ。
他にも、「疫学的根拠のないトップの思い込みに対して『忖度(そんたく)』することを良しとするムードがまん延していることが非常に危険」「接客業だが、社長以下、古参社員はいまだに『マスクはお客様に対して失礼』という認識で、店頭でのマスク着用が禁止されている。接客に入るときにマスクを外していたのでは意味がない」など経営陣に対する不満の声も聞かれた。
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