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 オリンパスは2月25日、内視鏡画像を診断するAI(人工知能)「EndoBRAIN」を3月8日に発売すると発表した。検査中にリアルタイムで腫瘍を判別し、医師の診断を支援する。同製品は内視鏡分野において日本で初めて薬事承認を受けたAI製品で、価格は450万円。オリンパスは今後、EndoBRAINをあらかじめ搭載した内視鏡も発売する方針だ。

EndoBRAINを搭載した内視鏡システム

 EndoBRAINはオリンパスの内視鏡が撮影した大腸の画像を解析し、0.4秒でがんを識別するソフトウエアだ。情報システム大手のサイバネットシステムが、昭和大学や名古屋大学と共同開発し、2018年12月に医療機器として国内で承認された。

 大腸にできる「イボ(ポリープ)」のうち約8割は「良性腫瘍」とされ、ポリープの形状や表面の構造から、医師であれば内視鏡の映像から判断ができる。しかし、実際には判断の難しいポリープもあり、正しく診断できる割合は7割程度にとどまっていた。このため、良性腫瘍だと判断したポリープが実はがんだったというケースが生じている。

 EndoBRAINの正診率は98%、感度は97%で「熟練医師に匹敵するか、それ以上の精度」と、開発に携わった昭和大学横浜市北部病院消化器センターの森悠一氏は胸を張る。この精度の高さを武器に、オリンパスは3年で約30億円を売り上げる目標を掲げる。

 医療用AIの研究は世界中で進んでいる。米国では18年4月、眼の網膜を撮影した画像から糖尿病網膜症かどうか診断するAIが医療機器として承認された。日本でも、国立がん研究センターが胃がんを早期発見するAIを開発した。

 オリンパスの18年3月期連結売上高は7865億円で、このうち内視鏡は3368億円を占める。同社は今年1月、内視鏡を中心とした医療事業に注力する経営方針を発表した。激しくなる医療用AIの開発競争でリードできるかが、今後の成長を左右しそうだ。

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