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 アサヒビールは19日、2019年のワイン事業の方針説明会を開いた。登壇したのは、昨年9月に就任した松山一雄専務取締役。松山氏はラベルプリンター大手サトーホールディングスの社長を務め、アサヒが32年ぶりに外部から取締役として迎えた人物だ。飲料業界ではキリンビールのマーケティング担当執行役員の山形光晴氏も社外の人材。なぜ、外部人材の登用が目立つようになってきたのか。

ワイン事業の方針説明会に登場したアサヒビールの松山一雄専務取締役(右)

 国内のワイン市場は伸び悩んでいるが、アサヒは2019年をワイン市場活性化の年と位置づける。2月に発効した日本とEU(欧州連合)のEPA(経済連携協定)よってEU産ワインの関税が撤廃されたことに加え、20年の東京五輪に向けた機運の高まりなどもあるからだ。同社では3月1日からEU産の40品目の価格を改定するほか、国産ワインや輸入ワインの新製品を投入しワイン事業の売上高を前年比3%増やす計画だ。

 しかし、松山専務はアサヒのワイン事業について課題を指摘する。「商品数が多く、各ブランドのポートフォリオの存在価値が明確に定まっていない」。

 課題はワインにとどまらない。酒類業界ではこれまで新商品を定期的に投入し、市場に話題を提供してきた。営業担当者も新商品を商談のきっかけにしてきた。

 そうしたやり方にメスをいれたのが、P&Gジャパンからマーケティング担当執行役員として山形氏を招いたキリンビールだった。昨年発売した第3のビール「本麒麟」を育てるために、今年はビールで大型の新商品の投入をしないことを決めた。競合各社が新商品を相次いで投入する中で、異例の決断だ。

 松山氏も新商品に依存する飲料業界の商慣習に対し危機感を抱いており、「これまで商品力、技術力、営業力を組み合わせて、市場に商品を出す力は強かった。でもいい商品があっても、価値に直結してきていない。ワインは業界全体で、ワインの楽しみ方を消費者に知ってもらえるよう、腰をすえて取り組むべき」と指摘する。

 飲料業界に増え始めた外部出身の役員。ワインやビールなど酒類の市場低迷が続く中で、外部出身者が業界を活性化させる起爆剤となるのか。注目が集まる。

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