全1230文字

 イタリアの自動車メーカー、アルファロメオが4月、同社として日本で初のディーゼルエンジンモデルを発売する。SUV(多目的スポーツ車)の「ステルヴィオ」など2車種で展開する。日本では輸入車に占めるディーゼル車の比率が高まっている。2018年は販売実績を前年から4割引き上げたアルファロメオは後発でのディーゼル参入を、再加速につなげられるか。

4月に発売となるアルファロメオ「ステルヴィオ」

 「日本にディーゼルを導入する最適なタイミングだ」。2月18日、アルファロメオを取り扱うFCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長はこう強調した。「これまでは我々のディーゼル車が十分な競争力を発揮できる環境ではなかった。それがようやく整ってきた」。

 日本でのディーゼル支持率は高まっている。18年の輸入車販売に占めるディーゼル車の割合は23%と7年連続で過去最高を更新した。国内外のメーカーがラインナップをそろえており、その点、アルファロメオは「最後発」に近い。

 同社はディーゼルが苦手というわけではない。かつて黒煙を吐き出す存在だったディーゼルエンジンの「クリーン化」路線は1997年に同社が「156」に採用したシステムが最初とされる。「我々は草分け的存在だ」とアルファロメオのエンジン開発部門幹部のパオロ・パロッティ氏は力を込める。

 ではなぜ、日本での発売が今なのか。理由の1つはブランドイメージの再構築が優先課題だったためだ。アルファロメオは2007年には4000台ほど販売し、輸入車トップ10に入っていたが、車種の再設定などが響いて、その後に販売が低迷。高級路線を強調した販売店を新設するなどし、この数年でようやく巻き返してきた。

 「まず市場で認知してもらう必要があった」(ヘグストロム社長)として、日本でなじみのあるガソリン車の販売を先行。ステルヴィオの発売などで18年の販売台数を前年4割増の約2500台まで戻した。「次はラインナップの拡充を」(同)と満を持してのディーゼル導入となったわけだ。

 独フォルクスワーゲンの米国での排ガス不正問題などでディーゼル車は逆風を受けている。将来を見越し、日本での展開車種の絞り込みをはじめた海外メーカーもある。しかし「SUVなど大きな車向けに適したパワートレインとしてある程度は残る」(マツダの丸本明社長)ともされる。走りにこだわりをもつメーカーの陣取り合戦はなお一層、激しくなる。

 FCAジャパンはディーゼル車に限った販売目標はないとするが「今年のアルファロメオの販売は昨年よりも伸びる」(ヘグストロム社長)と強気だ。トルクが強く、パワフルな走りが特徴のディーゼルにあやかり、市場での支持でもさらなる加速を呼び込めるか。正念場の1年となりそうだ。

タグ「1分解説」をフォローしませんか

旬の話題やニュースを分かりやすく手短に解説。フォロー機能を設定すると、「1分解説」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#1分解説」でフォロー機能を設定できます。