日本たばこ産業(JT)は9日、国内たばこ事業のリストラを発表した。46歳以上の社員1000人の希望退職を募るほか、九州工場(福岡県筑紫野市)やグループ会社の工場を閉鎖する。営業補佐のパート従業員制度も廃止。退職勧奨や雇い止めなどで、1600人を削減する。一連のリストラで、2022年3月までをめどに3000人規模の人員を減らす。

JTは過去30年にわたって、国内たばこ事業のリストラを繰り返してきた。1985年の民営化後は円高進行や輸入紙巻きたばこの関税撤廃で外国製たばこが安価で流入。市場も96年度をピークに落ち込み、3483億本だった紙巻きたばこの販売数量は、19年度に1181億本と3分の1まで減少している
2003年の中期経営計画では希望退職の募集と退職勧奨を実施。約5700人からの応募があり、製造工場も25から10に減らした。1985年に34あった工場は現在では4工場に、従業員数は約3万1000人から7920人に減っている。
国内市場の縮小に拍車をかけたのが、今回のコロナ禍だ。リストラと同時に発表した20年12月期の売上収益は、前年比3.8%減の2兆926億円。営業利益は6.6%減の4691億円と、2期連続の減収減益だった。国内たばこ事業の落ち込みは大きく、たばこ製品の売上収益は5157億円と前年比9.3%減った。前年比2.3%減だった19年や、同1.4%減の18年に比べ下げ幅が大きい。減少分の300億円程度が新型コロナによる影響と説明しており、国境を越えた移動が制限される中、免税店などでの売り上げが減少した。
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