全970文字

 三菱自動車は従来モデルを刷新した「デリカD:5」を15日に発売した。大幅なマイナーチェンジは12年ぶりだ。1968年の登場から51年目を迎えるデリカ。ミニバンの居住性とアウトドア性能を融合させた独自のスタイルを作り上げてきた。長寿の理由はどこにあるのか。

ディーゼル車に絞ってマイナーチェンジした

 今回のマイナーチェンジではラインナップを「ディーゼル車の四輪駆動車」に絞った。ガソリン車は従来型を継続して販売する。深澤潔執行役員国内営業本部長は日経ビジネスの取材に「これまでの販売では8割以上がディーゼルを選んでいる。デリカらしさというとディーゼルと四駆だ」と話した。「トルクが強く、45度の坂を登れるディーゼルの力強さへの評価が高い。経営資源を集中してマイナーチェンジを実施した」という。

 デリカの名称は「デリバリーカー」に由来する。最初に発売した68年は「アウトドア」という言葉が広まった時期で、自然の中に人と道具を運ぶというコンセプトだった。初代モデルではトラックを発売し、翌年に9人乗りワゴンを投入した。

 「大人数で自然を楽しむ」という方向性を決めたのは、79年に登場した2代目「デリカスターワゴン」。ワンボックスカーの形状ながら、悪路の走破を得意とする4WDミニバンだった。86年に発売した3代目デリカはサスペンションに本格オフロード車「パジェロ」の技術を活用するなど、悪路での走りを追求していった。

 万人受けするクルマではない。「根強いファン層を徹底的に意識しながら、長い歴史を育ててきた」と深澤氏は語る。販売台数はバブル期と重なった3代目が年平均5万台以上と突出しているが、その後も年平均で1万5千台以上をキープ。累計では135万台を超えた。

 自動車市場は、米国を中心にSUV(多目的スポーツ車)ブームが広がり、日本でも「3列SUV」に注目が集まる。形状こそ違えども「人と荷物をたくさん積める」「悪路もお手の物」といったコンセプトはデリカと重なる。時代がデリカに追いついてきたことは吉か、凶か。「らしさの追求」という選択は更なる長寿化を占う要素となる。

タグ「1分解説」をフォローしませんか

旬の話題やニュースを分かりやすく手短に解説。フォロー機能を設定すると、「1分解説」タグが付いた記事が配信されると画面上で通知されます。「#1分解説」でフォロー機能を設定できます。