パナソニックは14日、新型のミラーレスカメラ「LUMIX(ルミックス)Sシリーズ」を3月下旬から投入すると発表した。「フルサイズ」と呼ぶ大型の画像センサーを搭載するモデルで、上位モデル「S1R」本体の市場想定価格は46万4000円。東京五輪をにらみ、先行する他社を追いかける態勢をひとまず整えた。

パナソニックが発表したフルサイズのミラーレスカメラ「LUMIX(ルミックス)Sシリーズ」
パナソニックが発表したフルサイズのミラーレスカメラ「LUMIX(ルミックス)Sシリーズ」

 縮小するカメラ市場にあって、ミラーレスは数少ない成長領域とされる。スマホのカメラからのステップアップを求めるユーザーからの支持を集めており、カメラ映像機器工業会(CIPA)によると、18年の国内の出荷台数でミラーレスが初めて一眼レフを超えた。

 忘れがちだが、ミラーレス市場そのものを拓いたのはパナソニック自身。だが「フルサイズ」の分野では、ソニーが先行。一眼レフの「巨人」であるニコンやキヤノンも参入し、気づけば、パナは追いかける立場へと格落ちした印象が否めない。「プロの方に使い込んでいただく商品。自信を持って送り出したい」(パナソニックアプライアンス社の渕上英巳副社長)。関係者には悲壮感さえ漂う。

パナソニックアプライアンス社の渕上副社長(左)は「自信を持って送り出す」と話すが…… 
パナソニックアプライアンス社の渕上副社長(左)は「自信を持って送り出す」と話すが…… 

巻き返し、手法は「王道」に回帰

 この時期に投入する意味は「東京五輪をにらんだ需要」以外、ない。では、具体的にどう巻き返すか。1つは、パナとパナを取り巻く取引先などを示す「エコシステム(生態系)」の強化。今回のフルサイズ機では、レンズ交換部のマウント規格には独ライカの「Lマウント」を採用。そしてレンズメーカーのシグマから同じ規格に対応したレンズを投入し、20年度までに42本以上のレンズをそろえるという。生態系内の知恵と技術をできる限り詰め込み、総動員で五輪商戦に挑む。サービス面では、五輪とパラリンピック会場にプロ向けのサポート拠点を初めて設ける。

 こうしたいわば「王道」を選択したパナソニック。フルサイズが五輪商戦で花開くか、それとも「最後の逸品」で終わるか。パナにとってカメラ事業は確かに「中核」と位置付けられるわけではないが、戦略が不発に終わり視界不良に陥ることを良しとする関係者はいない。

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