住友商事傘下のドラッグストアチェーン「トモズ」は2月から、調剤業務の自動化に着手した。調剤にかかる薬剤師の負担を軽減し、その分を患者からの相談対応などに振り向けるのが狙いだ。

 首都圏を中心に172店舗を展開するトモズ。千葉県松戸市の松戸新田店を舞台に、2月1日から自動化の実証実験を始めた。複数台のロボットや機械を導入し、薬の選び出しや粉薬を小分けに包む作業など、一連の工程を自動化した。

 中でも高い効果が期待されているのが、複数の薬を朝昼晩といった服薬のタイミングごとに包む「一包化」と呼ばれる作業の自動化だ。高齢者だと服用する薬が10種類にも及ぶケースもあり、薬剤師が30~60分を費やして調剤することも珍しくなかった。それが機械化の結果、3分にまで圧縮されたという。

薬剤師がボタンを押すだけで粉薬が計量され、一つひとつ梱包されて、機械の下部から出てくる
薬剤師がボタンを押すだけで粉薬が計量され、一つひとつ梱包されて、機械の下部から出てくる

 松戸新田店が1カ月間に受け付ける処方せんは5000枚程度。調剤作業については薬剤師12人相当の労働負担があったが、自動化で10人相当まで圧縮できるという。そこで生まれた余力を患者対応にあてるのが今回の取り組みの狙いだ。1年半ほどかけて効果を検証した上で、同規模の大型店への展開を検討する予定だ。

 1947~49年に生まれた「団塊の世代」全員が、75歳以上の後期高齢者になる2025年度には、国民医療費は17年度の42.2兆円から61兆円にまで増大すると予測されている。社会保障の持続性を確保するため、政府が進めているのが地域包括ケアシステムの構築だ。

 地域包括ケアシステムのポイントは、入院医療から在宅医療への転換と、予防の取り組みの拡充だ。全国各地どこにでもあり、薬剤師という医療の専門家が常駐し、大衆薬や健康食品などもそろう薬局は、地域包括ケアシステム推進の要となり得る。薬剤師の業務負担を軽減するトモズの取り組みは、今後大きな意義を持ちそうだ。

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