(写真:PIXTA)
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 「会社に愛情を持って仕事していた。転職するなんて思っていなかった」

 新卒で大手人材会社に入社した塚本ひかりさん(28)は、愛着があったその会社を退職し、2021年2月にクラウド型顧客ポータルの構築・運営を手掛けるスタートアップ、コミューン(東京・品川)に転職した。

 転職のきっかけは副業だった。前職での役割は人事向けシステム開発のプロダクトマネジャー。3年前に人事部門から異動して担当するようになった。ただ、人事部門を離れてから時間がたち、「人事向け製品の仕事をしているのに、人事の現場感覚が分からなくなっていた」(塚本さん)。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務になってから考えたのが、往復で2時間弱かかっていた通勤時間を副業に充てることだった。人事の感覚を取り戻せば本業にも役立つとの思いがあった。

 副業・転職のマッチングサービス「YOUTRUST」に登録したところ、声をかけてきたのがコミューンだった。20年8月に採用・人事職で副業を開始。全てリモートワークで週3~4日、本業の就業時間の前後に1日2時間の業務に当たった。

 コミューンの高田優哉CEO(最高経営責任者)は塚本さんの働きぶりを高く評価。「社員になりませんか」と声をかけた。とはいえ、塚本さんにとってコミューンでの仕事はあくまで副業。転職は考えておらず、数回断っていた。

 副業を4カ月ほど続けた11月ごろ、高田CEOが会社のほとんど全ての情報を見せながら経営状況や課題についても隠さず説明してきたことで塚本さんに心境の変化が生まれた。「課題がたくさんあるこの会社の役に立ちたいという責任感が湧いてきた」。一緒に働く同僚たちも刺激的だったという。

 「副業してそのまま転職するのって、周りからどう思われるのだろう」。そんな漠然とした不安があった。本業の上司や役員からも引き留められた。それでも、急成長する会社だからこそ得られる経験を求めて転職を決意。面接もないまま、コミューンの正社員としての採用が決まった。フルタイムで働き始めた塚本さんは、「組織になじめるかという不安は全くない。いかに業務で力になれるかというところに集中できている」と声を弾ませる。

「副業からの採用はメリットばかり」

 コミューンの約20人の社員のうち、半数は副業やフリーランスからの転身という。高田CEOは「副業からの採用はメリットばかり」と語る。

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