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 半導体大手のルネサスエレクトロニクスが2月12日に発表した2019年12月期通期決算(国際会計基準)は最終損益が59億円の赤字だった。前年同期は509億円の黒字だった。最終損益がマイナスになるのは14年3月期以来だ。中国向けなどの需要低迷や在庫削減に向けた生産調整などが響いた。

19年12月期の業績が振るわなかったルネサスエレクトロニクス。写真は茨城県ひたちなか市の那珂事業所

 注目は20年12月期だ。世界半導体市場統計(WSTS)が19年12月に発表した予測によれば、20年の半導体市場規模は4330億ドル(約47兆円)と前年比で5.9%増える見通し。19年はメモリー市場の低迷で前年比12.8%減ったが、20年は5G(第5世代通信システム)関連需要の拡大やデータセンター投資の回復で再び成長するとの見方を示す。

 ルネサスも半導体市況の回復と製品ラインアップの強化で、20年は反転攻勢に出る構えだった。19年3月に買収した米半導体メーカー、インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)と米国法人を統合し、20年1月から「ルネサスエレクトロニクス・アメリカ」として運営を始めた。ルネサスの柴田英利社長兼CEO(最高経営責任者)は19年11月の時点で、「(アナログ半導体に強い)米インターシルの買収から2年を経て、IDTも加わり、(複数の製品を組み合わせて提供する)ソリューションを構成するための道具立てが最低限整った」と話していた。

 その言葉通り、業績は回復基調にある。19年10~12月期業績(企業買収関連費用などを除いたNon-GAAPベース)は、売上収益と営業利益率がいずれも11月時点の見通しを上回った。20年1~3月期の業績見通し(Non-GAAPベース)も、売上収益が1750億~1830億円(前年同期は1503億円)、営業利益率が15%(同4.8%)と強気だ。

 そのルネサスの前に立ちはだかったのが新型コロナウイルスによる肺炎だ。20年1~3月期の業績見通しには、「北京と蘇州の後工程工場の停止期間が伸びて出荷が減る影響は織り込んだが、需要側の影響は考慮できていない」と柴田社長は説明する。

 ルネサスの外部顧客からの売上収益を地域別に見ると、日本の36%に続いて中国が21%を占める(19年12月期)。中国では工場の操業停止が長引き、再開しようにも職場に復帰できる労働者が足りずにフル操業できない工場が相次ぐ。その影響で、日産自動車など国内でも操業を一時的に止める工場が出てきた。それらの企業が使う半導体へのインパクトはいまだ読めないままだ。

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