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 2月4日、旧正月を祝う春節の連休が中国で始まった。中国の大手旅行予約サイト「携程旅行網(シートリップ)」によると700万人もの中国人が国外旅行に出かけるといい、日本はタイに次いで人気の渡航先という。

 そんな中、中国系観光客の間で注目を集め始めているのが「冷門」というキーワード。元来は「ほとんどの人が気づかない、注意をひかないこと」という意味で、SNSやブログでは「まだ人の少ない観光地」といった意味合いで各地の冷門が紹介されている。

 逆に人気の観光地となり人で込み合っている場所、例えば東京の銀座や浅草といった場所は「熱門」と称されている。

 中国のネット上では現在、四国や屋久島など日本の原風景を体感できる場所のほか、「日本人の日常を体験できる観光地」として、東京近郊の商店街などが冷門として紹介されている。

下町情緒あふれる谷中銀座商店街

 例えば、東京都荒川区の「谷中銀座商店街」。下町の情緒あふれる”日本らしさ”に魅力を感じる中国系観光客の間で静かなブームを呼んでいる。

 「今、中国の若者の間では人が少なくて他人と違った観光地、『冷門』な場所が流行している」。中国・深センから初めて日本を訪れたという自営業、呉中堂さん(37)はこう語る。「人の多い繁華街よりもゆったりできる場所が好き。ローカルな日本の文化も感じられたし、来てよかったよ」と満足そうだ。

 谷中では台湾や香港からのリピーターも多くみられた。台中市から同商店街を訪れた男性(60)は5度目の訪日。「日本の伝統的な雰囲気が残っていて、静かな場所に来たかった。食べ物も安いね」と下町の魅力を熱く語った。

 「爆買い」は終息したとも言われる訪日客。それでも中国からの訪日客数はまだ右肩上がりを続けている。著名な観光地だけでなく、ローカルな場所にまで観光客が訪れるようになれば、日本の魅力を多面的に伝えるチャンスがより広がる。これからのインバウンドは「冷門」がカギを握るようになるかも知れない。

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