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 8日に三井不動産、三菱地所が発表した2018年4~12月期決算は好調そのものだった。両社とも前年同期比で営業利益が増え、19年3月期通期は両社とも過去最高益を更新する見通しだ。

 好業績の一つの要因が、超低金利を背景に好況に沸く首都圏のマンション市場。だが、この先も好調を維持できるか、不透明な要素も見えてきた。

足元では好調なマンション販売だが……(東京・中央区の晴海ふ頭周辺の高層マンション、写真:共同通信)

 業界関係者が指摘するのが、販売価格が1億円を超えるような都心の大型物件で売却案件が出始めていることだ。新宿区のあるタワーマンションの元住人が「オーナーの3割が外国人だった」と証言するように、都心の高額物件では、外国人の富裕層が投資目的で購入しているケースが少なくない。そうした外国人オーナーの中でも主に中国人が売却に動き出したようだ。大手デベロッパー社員は「中国国内の景気悪化を受けて、これまで寝かせておいたものを売りに出しているのだろう」とみる。

 不動産経済研究所(東京・新宿)の調査によると、2018年の東京23区の新築マンションの平均価格は7142万円にまで上昇。夫婦ともにフルタイムで働くパワーカップルに支えられてきたマンション市況だが、彼らが負担できる限界とされる8000万円が見え始め、不動産業界内では「高くて売りにくい」といった空気が漂いつつあった。

 そうした中で出てきた中国人オーナーの売却機運。築年数の浅い優良な物件ならば、買い手も見つかりそうだが、それも価格次第。8000万円を下回らなければ、パワーカップルの購入意欲も高まらないかもしれない。

 中古でも高くて売れない物件が増えれば、それは当然、新築物件の価格にも影響が出る。強気の価格戦略で好業績をおう歌する不動産大手にもチャイナリスクの影が忍び寄っている。

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