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 「より多くの利用者に日常的なスマホ決済を体験してもらうため、キャンペーン条件を大幅に変更することにした」

 ヤフーとソフトバンクが共同出資するスマホ決済会社のペイペイ。同社が2月4日に発表した新たな利用促進策「第2弾100億円キャンペーン」の狙いについて中山一郎社長はこう説明する。

 ペイペイを巡っては18年12月初旬の「100億円あげちゃうキャンペーン」が注目を集めた。月間最大25万円までのスマホ決済に対して決済金額の20%分をポイント還元するという大盤振る舞いで、家電量販店を中心に消費者が殺到。ペイペイはキャンペーン期間を当初「19年3月末まで」と見込んでいたが、わずか10日間で予算を使い果たして終了させた。

 中山社長は「(18年10月の)サービス開始から4カ月で、利用登録数が累計400万人を突破した」と胸を張る。

「キャンペーン効果で登録者数が400万人を超えた」と話すペイペイの中山一郎社長

 そんな“ペイペイ祭り”の余勢を駆って、再び「100億円キャンペーン」「20%還元」と銘打った今回のキャンペーン。だが実は、利用にあたって新たな制約が設けられている。

 まずポイント還元の対象となる金額は、決済1回につき最大1000円と大幅に縮小。還元率も以前の一律20%ではなく、支払い手段が現金チャージかクレジットカードかなどの違いによって10~20%と幅がある。1人当たりの還元総額は、2月12日から5月末までのキャンペーン期間いっぱいで5万円が上限だ。リテラシーの高い一部の利用者が短期間で還元を消費し尽くすのではなく、より幅広い人々にスマホ決済に触れてもらいたいとの狙いがある。

 一方、競合他社の動きは活発だ。LINE(ライン)やOrigami(オリガミ)などが相次ぎ高額還元を掲げて顧客の囲い込みを急いでいる。

 ペイペイは前回のキャンペーン期間中にシステム障害を計4回発生させた。その後も第三者が不正に入手したカード情報を利用して買い物してしまうなどトラブル続きだ。スマホ決済の競争が激化する中、前回より“地味”な今回のキャンペーンで、狙い通り幅広い消費者を集められるのだろうか。