ZOZOは31日、2019年10~12月期決算を発表した。第3四半期の決算だが、前澤友作社長が自ら登壇した。衣料品通販サイト、ゾゾタウンから有力アパレルの出品取りやめが相次ぐなど、ここのところ続く逆風に対し、自ら説明する機会を設けたかったようだ。

 ゾゾタウンからは昨年末のオンワードホールディングスを皮切りに、ベイクルーズなど有力アパレルが出品を取りやめた。12月に開始した有料会員向けサービス「ZOZO ARIGATO(アリガトー)」で商品が常時10%割引となることに対し、出店者が「ブランド価値を毀損する」などと反発したためだ。オンワードやベイクルーズはかねて自社ネット通販サイトに注力し、ゾゾに依存する必要は薄れていた。

 前澤氏によると全商品の販売を見送ったのは42ショップで、1255ショップあるうちの3.3%。取扱高で見ると1.1%で「業績に与える影響は軽微」だと説明した。「1ショップでも減ることは悲しく思う」と話した。「ショップ」はショッピングセンターのテナントのような概念だ。

ゾゾタウンのパソコンのサイト。セールのアピールが目立つ
ゾゾタウンのパソコンのサイト。セールのアピールが目立つ
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 アリガトーは今後も続け、有料会員向けに割引価格を表示していた仕組みを改めて、正価から見せる方法を出品企業が選べるようにするという。割引価格ばかりが注目され、不快感を持つ企業に配慮する狙いがあるようだ。

 31日には19年3月期通期の連結純利益が前期比12%減の178億円になりそうだと発表した。従来予想(39%増の280億円)を下方修正し、一転して減益となる。 前澤氏は「なさけないことに業績を下方修正した」「繰り出す施策で大きな成果があげられなかった」などと話した。プライベートブランド事業の立ち上げに苦戦し、200億円を見込んだ売り上げが30億円の見通しになっているという。

 足元の事業ではセールが引き続き好調だ。アリガトーに反発して出品を取りやめた企業も全体の中ではわずか。前澤氏は「ゾゾタウン事業は至って順調。数字的には大丈夫」と話した。「試行錯誤の1年だった。なんとか挽回するぞ、と社内のモチベーションは高まっている」とも強調した。

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