楽天モバイルが新料金プランを発表した。容量無制限で月額2980円(税別、以下同)というワンプラン戦略を改め、使ったデータ容量に応じて料金を変動させる3つのパターンを新設した。月20ギガ(ギガは10億)バイトまでは1980円、3ギガバイトまでは980円、1ギガバイト以下なら無料とする。それぞれの値付けの背景には、これまで獲得してきたユーザーを何としてもつなぎ留めたい焦りが透けて見える。価格破壊で大手3社からユーザーを奪い取るはずが、一転して防戦に追われている。

データ容量が月1ギガバイト以下なら無料とするなど、使った容量に応じて料⾦を変動させる3つのパターンを新設した(写真:古立康三)

 楽天が2020年4月に第4の携帯キャリアとして新規参入したとき、データ容量無制限で月2980円という「ワンプラン」だった。当時、三木谷浩史会長兼CEO(最高経営責任者)は「楽天モバイルは1つのプランしか出さない。将来的にも考えていない」と大見えを切った。20年9月に高速通信規格「5G」のサービスを始めたときも「タダ5G」とうたい、追加料金を払わずに5Gを使えるようにした。

 今回発表された料金は、実際に使ったデータ容量に応じて料金が変わる仕組みだ。4月から、既存契約分も含めてこのプランに自動的に切り替わる。三木谷氏は「全国民に最適となるワンプラン。利用者が自分でプランを選ぶ必要はない」と、あくまでも1つのプランであることを強調した。とはいえ、当初の方針を大きく転換したと言わざるを得ない。

 データ容量が無制限で月2980円という点は変わらないが、データ容量が少なければ今よりも値下げになる。月3ギガバイト超20ギガバイト以下なら月1980円と今までよりも1000円安くなる。20年12月にNTTドコモとソフトバンクが月2980円の20ギガバイトプランを発表し、21年1月にはKDDIが月2480円のプランを発表した。

 楽天モバイルは大手3社と比べて通信エリアの広さや通信品質で見劣りが否めず、同じ料金水準なら他社に顧客が流出する可能性があった。そこで、大手より500~1000円安い水準に引き下げることでユーザーをつなぎ留める狙いがある。

 では、月1~3ギガバイトを980円としたのはなぜか。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り1926文字 / 全文2824文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

オリジナル動画が見放題、ウェビナー参加し放題

日経ビジネス最新号、9年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「1分解説」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。