レオパレス21の大株主で、「物言う株主」村上世彰氏が関わる投資会社レノ(東京・渋谷)は1月28日、レオパレスに対して求めていた取締役10人全員を解任する株主提案の撤回を発表した。2月27日の臨時株主総会が山場になるとみられていたレオパレスの経営権を巡る両者の争いは一転、収束に向かう見通しとなった。

「物言う株主」村上世彰氏とレオパレス21の争いは一転、収束に?
「物言う株主」村上世彰氏とレオパレス21の争いは一転、収束に?

 レノは、アパートなどの施工不備の問題で業績悪化が続き、経営陣の刷新が必要だとして臨時総会を開くように要請していた。当初は開催を拒否していたレオパレスだが、容認姿勢に転じ、1月27日の取締役会では東洋シヤッター元社長の藤田和育氏とパナソニックホームズ元上席主幹の中村裕氏を社外取締役候補とすることを決めた。

 レノ側はこうした会社提案に加え、「事業の提携や再編も含めた改革案について他の大株主にも説明するなど、真剣に検討を進めている姿勢がうかがえた」として、全取締役解任の撤回を決定。併せて、村上氏側近の大村将裕氏を取締役、レノの代表取締役ら2人を社外取締役に選任する株主提案も見直し、社外取締役2人については取り下げた。

 2月27日の臨時総会は予定通り行われるが、レオパレスの現経営陣にとって最悪の事態だった「全取締役の首切り」という事態はひとまず回避される公算となった。ただ、これで落着かと言えば、そうもいかない。

 レノの持ち株比率は14.46%(2019年12月11日時点)。この他、現経営陣に不満を持っているとされる英運用会社オデイ・アセット・マネジメント、国内運用会社のアルデシアインベストメントもそれぞれ同規模の株を保有しているとされ、この3株主だけで議決権の40%以上を押さえている。

 関係者によれば、昨年6月27日のレオパレスの定時株主総会で、宮尾文也社長の選任議案を巡り、この3株主は賛成に回ったというが、それでも宮尾氏への賛成割合は67.47%にとどまった。つまり、改革が不十分だと判断されれば、今年6月の定時総会で選任されない事態も十分にあり得るのだ。

 今回のレノの対応はいわば、6月までの“執行猶予措置”。改革を真に遂行する意思があるのか、それとも現経営陣の延命策にすぎないのか、レオパレスの本気度が問われている。

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