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(写真:ユニフォトプレス)

 中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している。このように社会全体に不安が広がるとき、問題になるのが「デマ」の拡散だ。日本でも肺炎の感染が拡大し始めてから、「武漢から来た、新型肺炎の疑いがある中国人が関西空港から逃げた」というデマが出回ったことは記憶に新しい。新型肺炎の脅威をより身近に感じている中国では、偽情報がさらに出回りやすい環境にある。

 中国人が情報をやり取りする際に使っているのが、10億人を超えるユーザーがいる騰訊控股(テンセント)の「微信(ウィーチャット)」だ。そのテンセントは新型肺炎についてデマが出回っているのに対応して、情報の真偽を確認できる特設サイトを用意している。

 例えば「アルコール度数が高い白酒を部屋に噴霧すれば新型肺炎の予防になる」という噂に対して、専門家が監修した上で「偽科学」という判定を下すといった具合だ。

テンセントは新型肺炎に関する情報の真偽を確認できる特設サイトを設けた

 こうした取り組みは、付け焼き刃でなされたものではない。テンセントは以前からネット上の情報の真偽を明らかにするサイトを開設していた。そのサイトをベースに新型肺炎に関する情報に特化したものを新たに立ち上げたと見られる。

 日本でも、フェイクニュースや不確かな情報を裏付けせずにまとめる「キュレーションサイト」が社会問題となった。新型肺炎は世界各地で感染者が増加しつつある。ソーシャルメディアの運営者が信頼できる情報を提供する取り組みは今後、日本で不確かな情報の拡散を防ぐためにも参考になりそうだ。