オリンパスは24日、新型のミラーレスカメラを発表した。防塵、防滴の機能を高めるなどプロカメラマン向け仕様で、ブランド力を引き上げて入門機も含めて幅広い層にオリンパスのカメラを浸透させる。足元の赤字を解消し、利益が出にくいカメラ事業で生き残れるだろうか。

新型ミラーレスを手に持つ笹宏行社長(写真(中))
新型ミラーレスを手に持つ笹宏行社長(写真(中))

 オリンパスのカメラ事業の現状は苦しい。2018年4~9月期の部門売上高は257億円と前年同期比16%減った。2019年3月期は中国のカメラ生産子会社で操業停止した際の費用を計上し、130億円の営業赤字を計上する見通し。スマートフォンによる撮影機能の代替はカメラ各社の業績を悪化させている。カシオ計算機は18年に消費者向けのデジカメから撤退した。

 オリンパスはカメラ事業を再び安定させられるだろうか。2週間前の1月11日、同社は4月以降の新しい経営体制と経営方針を発表した。「トランスフォーム オリンパス」と題した戦略の中心は、内視鏡と治療機器事業の強化策とガバナンスの強化。カメラ事業について触れず、これまで以上に医療へのシフトを鮮明にしている。

 その裏にはオリンパス株を5%超持つ「物言う株主」米バリューアクト・キャピタル・マネジメントの存在がある。バリューアクトは2017年秋からオリンパス株を保有し、経営陣と「対話」を続けてきたという。オリンパスで19年4月に社長に昇格する竹内康雄副社長は「戦略策定にあたってバリューアクトからはサポートを受けてきた」と話す。

 バリューアクトはカメラ事業について「売却するような助言はしておらず、構想も持っていない」としている。オリンパス経営陣も「開発のサイクルが速い消費者向けカメラは、内視鏡の技術を高めるのに必要」(笹宏行社長)と説明している。

 カメラ市場はスマホに押され、国内外ともに出荷台数が前年比2割減で推移している。唯一健闘しているミラーレスでも微増の域を出ない。それでもモノ言う株主は見守る姿勢を示す。オリンパスは市場での存在感を高め、目標とする20年3月期の事業黒字化を果たせるだろうか。

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