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 メルカリは1月23日、子会社のメルペイ(東京・港)がスマートフォン決済のOrigami(オリガミ、東京・港)を完全子会社化すると発表した。取得価額は非公表。オリガミが手掛けるスマホ決済サービス「Origami Pay(オリガミペイ)」の顧客や加盟店は、一定の周知期間を経て「メルペイ」に統合する。2019年11月の「PayPay(ペイペイ)」を抱えるZホールディングス(旧ヤフー)と「LINE Pay(ラインペイ)」を持つLINEの経営統合発表に続き、競争が激化するスマホ決済市場の再編が加速度しそうだ。

メルカリとOrigamiの決済アプリは今後、統合されることになる

 メルペイに焦りがなかったわけではないだろう。同社はNTTドコモやKDDI、そしてLINEと共にスマホ決済に関する加盟店アライアンス「Mobile Payment Alliance(モパ)」を結んでいた。だが、ヤフー・LINEの統合を受け、19年12月にモパは解散で合意。袖にされたメルペイは、独自路線を歩まざるを得ない状況だった。

 ソフトバンクがグループを挙げて大規模な還元キャンペーンを打ち、認知度を高めて利用者を増やすPayPay。若年層を中心に利用者を囲うLINEに対して、メルペイはフリマアプリのメルカリを通じたキャンペーンを打つなど対抗するも、その力の差は大きい。これは、比較的早いタイミングでキャッシュレス決済に参入したオリガミも同じだ。

 大手参入によってキャッシュレス市場が過熱し、各社が物量作戦に突入していた中で、オリガミが単独での生き残りは難しく、他社への売却を検討しているという話は業界内で幾度となく浮上していた。ここに、ヤフー・LINEの統合によって、将来絵図を描けなくなっていたメルペイが飛びついた格好だ。だが、同時に「弱者連合」(キャッシュレス決済事業者)と揶揄(やゆ)する声も挙がる。

 メルペイの狙いは何か。一つ挙げられるのは、オリガミペイが持つ地方の信用金庫とのネットワークだ。大企業の参入によって、オリガミはいち早く戦略転換の舵(かじ)を切った。それが、金融サービスプラットフォームのオープン化だ。

 18年9月に信金中央金庫と資本業務提携し、同年10月には決済機能をパートナー企業のサービスに搭載できるオープン化の方針を表明した。信金中金が手掛けるアプリにオリガミの決済機能を搭載することで、30を超える信金でキャッシュレス決済ができるようになるなど、「黒子」として事業拡大を続ける。

 メルペイは独自に利用者や加盟店舗網を増やしてきたが、どうしても地方には手が回りにくい。オリガミが持つ地方の信金網をつかむことで、メルペイは巻き返しを図れるだろうか。

 メルペイによるオリガミ買収は、激烈な競争が繰り広げられているキャッシュレス決済業界の次なる再編の号砲を鳴らしたことだけは確かだろう。

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