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 パイオニアは1月23日、東京都内で同1日に就任した矢原史朗社長の就任会見を開いた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人で働いた経験がある矢原氏。当時の「ボス」である名経営者、ジャック・ウェルチの言葉を胸にパイオニアの立て直しに挑む。

 矢原氏は、大学卒業後に入った伊藤忠商事で約13年間働いた後、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人、日本GE(現GEジャパン)に入社。2004年に、当時のGE横河メディカルシステム(現GEヘルスケア・ジャパン)の常務取締役営業本部長に就き、経験を積んだ。07年に投資ファンドのベインキャピタル・ジャパンに入社し、その後は同社が出資した複数の企業のトップを歴任。直近は産業ガス大手の日本エア・リキードの社長だった。

 パイオニアは2000年代のプラズマテレビ事業への巨額投資が重荷となり、カーナビゲーションシステムなどの本業も苦戦。19年1月25日にアジア系ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアからの出資受け入れを決め、同3月27日には上場を廃止した。

 経営再建に向け、全世界で3000人規模を削減するリストラを断行。財務面での危機的な状況から抜け出しつつある。そうした中で、登板した矢原氏に求められているのは、パイオニアを再成長に導くことだ。

 成長事業として期待されるのが、モビリティー関連ビジネスだ。デジタル地図の子会社が持つデータを生かし、位置情報や安全情報などと連携したカーナビゲーションシステムなどで巻き返す考え。矢原氏も「財務再建は終わりに近い。今後はスピードを上げて成長分野に投資する」と意気込んだ。

 矢原氏が座右の銘にしているのが、GEのカリスマ経営者、ジャック・ウェルチ氏による「Control your own destiny or someone else will」(自らの運命をコントロールせよ。さもなければ、他人にコントロールされることになるだろう)という言葉。当時の「ボス」でもあったウェルチ氏のこの言葉は強く響いたという。矢原氏は「一人ひとりが当事者意識を持って行動するということ。この言葉を信念にしている」と話す。ウェルチ氏の言葉を念頭に、パイオニアを成長軌道に乗せられるか。

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