2月の風物詩である「恵方巻き」商戦が始まった。2000年代以降、コンビニやスーパー各社が全国に広めてきた結果、業界にとっては売り上げをけん引する縁起物だ。しかしながら最近は風向き、風当たりがどうやらおかしい。

スーパー各社は「予約販売増」を狙うが……
スーパー各社は「予約販売増」を狙うが……

 理由はご想像の通りだ。「大量廃棄問題」が急激にクローズアップされたことに尽きる。各社の売れ残りが大量に捨てられ、ここ数年はその現場写真がツイッターなどで拡散された。「前年以上の売り上げ」を達成しようと、各社ともにこの商戦から降りられないという事情もにじむ。見かねた国は対策に動き、農林水産省は1月11日付で廃棄量を減らすよう異例の通達を出した。

 各社とも無策でいるわけではない。注力するのは「予約販売」。需要見込みが分かれば当然、廃棄も減るというわけだ。イトーヨーカ堂は今年、恵方巻き全18種類(地域限定商品も含む)のうち目玉商品の5種類を「予約限定商品」とした。「昨年比110%の売り上げが目標だが、およそ3割は予約販売となる見込み」(商品本部鮮魚部マーチャンダイザーの粂田剛史氏)という。具材の種類を増やして恵方巻き自体を大きくしたり、1本あたり約4000円という高価格帯を準備したりするのも予約に誘導する狙いからだ。

 ただコンビニの場合、同じ戦略をとれない事情がある。当日販売分をどの程度用意するかは、フランチャイズ加盟店の判断に左右される部分が大きいからだ。もともとコンビニでは恵方巻きの単価は低く、当日買う客が多いとされる。24時間営業だとスーパーのように見切り販売が難しい。要するに、どの程度の廃棄が出るかは蓋を開けてみるまで分からないというのが実情のようだ。炎上などのリスクがぬぐえるどころか、高まっている可能性が潜む。

 今年の恵方は東北東。皮肉にも邪気が出入りする「鬼門」に近い。緻密で目配りのきいた対応が明暗を分けるということだけは、言うまでもない。

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