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 仮想通貨市場が息を吹き返すきっかけにできるだろうか。

 約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)の流出から約1年。マネックスグループ傘下で経営体制を立て直していた仮想通貨交換業者、コインチェック(東京・渋谷)が1月11日、改正資金決済法に基づく登録業者となった。17年4月に改正資金決済法が導入され、金融庁は仮想通貨交換業に登録制を取り入れていた。今回の決定を受けて同社は、登録申請中の「みなし業者」から正式な登録業者となった。

コインチェックはマネックスグループ入りし、運営体制を見直してきた(写真は18年4月の記者会見、撮影=的野弘路)

 同日、記者会見を開いたコインチェックは、マネックス傘下でこれまで進めてきたガバナンスの刷新、顧客資産の管理体制の強化、マネー・ロンダリング及びテロ資金供与に係る対策など、各種取り組みを説明。コインチェックの勝屋敏彦社長は「仮想通貨交換業者は、著しく経営環境が変わる立場に置かれている。安心することなく、システムのセキュリティはじめ様々な管理体制の強化について努力し、取り組んでいきたい」と述べた。

ビットコイン取引の45%が日本

 今からさかのぼること約1年前。仮想通貨業界は熱気に包まれていた。代表的な仮想通貨ビットコインの価格は17年12月に2万ドルにまで迫る勢いだった。しかし投資家の多かった米国や中国で仮想通貨取引を規制する動きが相次いだことや、コインチェック以外でも仮想通貨交換業者の資金流出問題が発覚したことで投資家のマインドは冷え込み、取引量の低迷が続いている。ビットコインの価格はピーク時の約5分の1、3600~3900ドル台で推移している。

 コインチェックの交換業者登録によって、「休眠状態」の仮想通貨業界が変わることが期待されている。なぜなら、日本の取引参加者の動きは相場に大きな影響力を持つからだ。

 日本は諸外国と比べ、相対的に仮想通貨の取引規制が少ない国だったため、世界の取引量全体に占める割合が高い。ビットコインに至っては、全体の半分に迫る。日本の影響が強いのはそのためだ。実際、コインチェックの交換業者登録を受けて以降、ビットコイン価格が急上昇するなどの反応があった。

 流出事件が発生した当時、コインチェックの社長を務めていた和田晃一良・執行役員は11日の会見で「事件が起こったよりも以前から、仮想通貨はバブルだなと考えていた。それが現在落ち着いた状況になっている。これがもともとの仮想通貨の正常な状態だ。このような状況だからこそ新しい技術や商品開発が進められる」と、今後も業界は発展の余地があると強調した。自身が起こした騒動から1年、コインチェックは再び、業界を盛り上げる存在になれるのだろうか。