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東芝はニューフレアにとって東芝の人材や技術が不可欠だと説明していましたが、それらがなくなるリスクは想定していたのでしょうか。

 あまり考えていませんでしたね。本当のところはよく分からないというのが正直な思いです。我々は、東芝の技術的な援助がなくても開発できるだろうという前提に立っていました。見方の問題だから、いろいろな意見があっていいと思います。

今後、東芝と個別に交渉する可能性はありますか。

 状況や環境はこれから先、どんどん変わっていきます。うちにとってメークセンスするバリューも変わっていきます。仮に将来、ニューフレアが東芝から離れることがあったとして、うちが興味を持つかどうかはそのときになってみないと分かりませんね。

 自分で決めた価値でしかディールは進めたくない会社ですから。「マーケットフェアバリュー」とか、売り主がいくらで売りたいかとかはあまり関係ないんです。自分にとって意味がある価格なら買収したいし、そうでなければ買収しません。

東芝やニューフレアに事前に告知せずにTOBの予定を発表する形になりました。交渉の可能性は探らなかったのでしょうか。

 東芝やニューフレアとは何度か話してきましたが、一度TOBが始まってしまうと交渉の余地はありませんよね。買収を目指すとなると東芝より高い値段でTOBをかけるしか選択肢がなかった。

 敵対的な買収をしようという考え方は持っていませんでした。友好的に話ができるのであれば同意の下で譲ってもらえたらいいなと思っていた。東芝がTOBをかけたので、うちにとっては選択肢がなかったということです。

対抗TOBという手段に出た会社としては引き際があまりに潔い気がします。

 今回のケースは東芝が過半数を持っている会社なので、東芝がイエスと言うかノーと言うかで決まる、ともともと思っていました。ノーならノーでしょうがないなと。だからあまり自分の中では違和感はありません。

東芝に対する株主からの「高い金額で売るべきだ」といった働きかけはあまりなかったようです。価格差が小さかったからでしょうか。

 そうかもしれませんね。価格差がもっと大きければ状況は変わったとは思いますよ。だからといって、リターンが明確にならない形で買収するのはうちにとって意味がありません。

以前、次の事業の柱を探そうとしていると話していました。ニューフレアというチャンスは見送りになりましたが。

 「一緒になれたらいいな」という会社はいくつかあります。その1つがニューフレアで、たまたま東芝がTOBをかけたので「50:50かもしれないが東芝に判断してもらおう」と思って我々もTOBをかけた。これがないとうちの会社がおかしくなるわけではありません。

 一緒になったらいいんだろうなと思いながらも、このバリュエーションでは成り立たないなという案件は結構あります。それはしょうがない。しょうがないから「しばらく待つか」「他を考えるか」と今までもやってきて、これからもそうやっていくんだと思います。株式市場もずっと今の状態が続くわけじゃないでしょうし、長い目で見ればチャンスが来るでしょう。ものは安く買って高く売るのが一番いいので、機会を待つしかありません。そういう会社なんです。

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