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 現在の販売台数は年150万台程度で、世界シェアは1%に満たない。規模が縮小した中でも、軽量化と堅牢性を両立した記念モデルを投入したのは、ノートパソコンの「生みの親」としての意地なのかもしれない。

液晶はシャープのIGZO

 新商品ではシャープ製の低電力液晶「IGZO」を採用するなど、「10月以降、(シャープと)技術面でのコラボレーションを進めてきた」とダイナブックの覚道清文社長兼CEO(最高経営責任者)は話す。今後についても「販売面で(シャープとの)シナジーは享受できつつある」と続ける。

シャープのIGZO液晶を搭載

 新生ダイナブックが狙うのは、収益性が高い法人市場を開拓。昨年12月に発表した中期経営計画では、セキュリティーやクラウド管理などのサービスを軸に、企業にパソコンを売り込んでいく方針を示した。

 だが、NECや富士通のパソコン事業を取り込んだ中国レノボ・グループなどライバルも法人シフトを進める。「レッツノート」で法人市場を切り開いたパナソニックやソニーから独立したVAIOも同様だ。VAIOは同日、14型で約999gのノートパソコンを発表。法人向けで先行する国内のライバルに対して、ダイナブックが狙い通り顧客を獲得できるかは不透明な部分もある。

 「30周年記念モデル」では、技術力の健在をアピールできたダイナブック。同社は中計の最終年となる2021年3月期には、売上高で今期見通し比2.1倍の3400億円、営業損益で70億円の黒字(今期は46億円の赤字見通し)を目指す考え。ライバルからの遅れをカバーするには、シャープのお家芸である「目の付け所」のある商品・サービスを打ち出し続けていく必要がある。