フランスのルメール経済・財務相が、仏自動車大手ルノーの会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるカルロス・ゴーン氏の解任を求める意向を明らかにした。仏紙フィガロは、ルノーが20日にも新体制を発表すると報じており、政府が次期会長に起用を検討している人物としてジャンドミニク・スナール氏の名前を挙げている。同氏は仏タイヤ大手ミシュランのCEO。どんな人物なのか。

次期ルノー会長として名前が挙がるジャンドミニク・スナール氏(写真:Chesnot/Getty Images)
次期ルノー会長として名前が挙がるジャンドミニク・スナール氏(写真:Chesnot/Getty Images)

 ミシュランのホームページによると、スナール氏はパリ郊外にある著名ビジネススクールのHEC経営大学院を修了。1979年仏石油大手トタルに入社し、87年に仏ガラス大手サンゴバンに転職。財務畑を歩んだ。

 96年から2001年までは仏アルミ大手ペシネーの最高財務責任者(CFO)を務めた。ペシネーは03年にカナダのアルキャンに買収された。

 ミシュランに入ったのは2005年。07年にミシュラングループのマネージングパートナーに指名され、11年5月からマネージングゼネラルパートナー。12年5月からCEOを務めている。18年に住友商事と北米卸売業者を設立したほか、建設機械向けなどのタイヤ大手のカナダ企業カムソの買収などを手掛けた。

 ちなみにゴーン氏もミシュランの出身。パリ国立高等鉱業学校を卒業した後、同社に入社した。南米事業の立て直しで手腕を発揮したことなどで頭角を現し、そうした実績が買われルノーに移籍した。その後、日産自動車に転じ、同社を再建したことは周知の通りだ。

 下馬評通り、スナール氏がルノー会長に就任すれば、大株主として日産の経営にも影響を及ぼす立場となる。ミシュランでのゴーン氏とスナール氏の在籍期間は重なっていないが、同社出身の経営者が再び日産の動向を左右することになりそうだ。

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