「日経ビジネスLIVE」とは:
「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 AIやサブスク……。新しい技術や急成長するビジネスが登場するたびに、世間にはバズワードが流布する。だが、持続的に成長していくには、ブレない経営の軸が必要だ。「同時代性の罠(わな)」に惑わされないための、60分の思考訓練。毎回、注目企業を事例に、一橋ビジネススクール教授の楠木建氏と社史研究家・杉浦泰氏が解説する。

 第3回のテーマは「セブンイレブン」。コンビニの“王者”として新しい消費スタイルを切り開いてきた同社の経営を、過去に遡ってウェビナーで分析する。今回はそれに先立ち、1989年に日経ビジネスに掲載したケーススタディーを再掲載する。コンビニ各社は弁当など取り扱う食品のおいしさを激しく競い合ってきたが、セブンイレブンが一歩リードしてきたというのは業界関係者の一致する見方だ。既に、30年以上も前から苛烈な競争が始まっていた。

■こんな方におすすめ
+仕事の意思決定において、ブレない思考を養いたい方
+セブンイレブンやコンビニエンスストアの経営に関心のある方
+楠木氏、杉浦氏の著書『逆・タイムマシン経営論』を読んだ方、もしくは興味がある方
+コンビニの商品が好きな方
+企業の歴史、産業の歴史に興味がある方

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■開催概要
テーマ:ケースで学ぶ「逆・タイムマシン経営論」
    セブンイレブンはどうして「コンビニの王者」になれたのか
開催:2021年3月24日(水) 20:00~21:00
受講料:日経ビジネス電子版の有料会員:無料(事前登録制、先着順)

※有料会員でない方は、まず会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

20:00 オープニング ※(講師紹介、講座紹介)
20:05 セブンイレブンの戦略と事業環境の変遷を、過去に遡りながら分析。「逆・タイムマシン経営論」の視点から、楠木氏、杉浦氏が同社の強さを分析する。
20:45 質疑応答
21:00 クロージング

■講師

楠木建(くすのき・けん)
一橋ビジネススクール教授
1992年、一橋大学大学院商学研究科博士課程修了、一橋大学商学部専任講師、同助教授、同大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授を経て、2010年から現職

杉浦泰(すぎうら・ゆたか)
社史研究家兼ウェブプログラマー
1990年生まれ、神戸大学大学院経営学研究科を修了後、みさき投資を経て、現在は社史研究家兼ウェブプログラマーとして活動。社史研究は2011年からスタートし、18年1月から長期視点をビジネスパーソンに広める活動を開始(ウェブサイト「決断社史」)。現在はウェブサイト「The社史」を運営する

■教材
+楠木建・杉浦泰著『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』(日経BP)
逆・タイムマシン経営論 第1章 飛び道具トラップ
逆・タイムマシン経営論 第2章 激動期トラップ
逆・タイムマシン経営論 第3章 遠近歪曲トラップ

■企業戦略 製造・配送革命
セブン―イレブン・ジャパンの調理済み食品重視路線
業態越えた鮮度競争に挑む

セブン―イレブン・ジャパンが弁当・調理パンなどの鮮度向上のため、1988年秋から製造・配送体制の大幅な改革に取り組んでいる。

調理済み食品が売り上げの中心を占めるようになるにつれ、セブン―イレブンのライバルは他のCVS(コンビニエンスストア)チェーンからスーパー、百貨店の総菜売り場へと広がった。その中で鮮度競争に打ち勝つためには、最早一刻の猶予もならない。(吉田 直人)

*「日経ビジネス」1989年2月13日号より。固有名詞や肩書、数字などは掲載当時のママ。読みやすさや時代背景を考慮し一部表現を改めた部分があります。

 1988年11月以来、コンビニエンスストア最大手、セブン-イレブン・ジャパン本部の役員会議室では、1日も欠かさず、役員による昼食会が開かれている。メニューはすべてセブンイレブンの店頭で販売される弁当だ。

役員を連日“弁当責め”

 1989年1月中旬某日のメニューは鶏の照り焼き弁当。当日のテーマは、工場で製造されたばかりの弁当と、店頭から買ってきた弁当の「比較研究」である。米飯を食べ比べた鈴木敏文社長から、「米飯の粘りに微妙な差がある」と厳しい指摘が飛ぶ。「一体、いつまでテストに時間をかけるのか。直ちに品質劣化をゼロにせよ」。叱責を受けた担当マネジャーは真っ赤になって首をすくめる。

 実は、セブンイレブンは今、弁当・調理パンなど調理済み食品の鮮度向上を図るため、製造・配送時間の大幅な短縮に取り組んでいる。1989年2月いっぱいを製造・配送体制の組み替え終了の目標に据えているため、試食もより入念になるわけだ。セブンイレブンがこうした改革に踏み切るきっかけになったのは、たった1本のテレビ番組なのである。

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続きを読む 2/4 NHKが暴露したセブンの弱点

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