「日経ビジネスLIVE」とは:
「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 一橋ビジネススクール教授の楠木建氏と社史研究家・杉浦泰氏とともに、“近過去”に遡ってブレない意思決定の視座を養うウェビナーシリーズ「ケースで学ぶ『逆・タイムマシン経営論』」。第1回「ユニクロ 強さの源流」を1月27日(水)夜8時に開催するにあたり、日経ビジネスに掲載した一押しの過去記事を再掲載する。

 今回は、1996年に掲載したファーストリテイリング会長兼社長(当時は社長)の柳井正氏の編集長インタビュー。当時、柳井氏は46歳。SPA(製造小売り)のビジネスモデルがほぼ確立し、出店ペースを加速しようとしている頃だ。

 店舗数はまだ国内210店舗(1995年末)だったが、柳井氏の視線は世界にあり、グローバル企業と肩を並べる経営へとファストリをどう進化させるかについて熱く語っている。歯に衣(きぬ)着せぬ柳井節は、既にこのときから発揮されていた。

 ファストリの軌跡を振り返る上で、欠かせない記事である。ぜひ、ご覧ください。

■開催概要
テーマ:ケースで学ぶ「逆・タイムマシン経営論」
    ユニクロ 強さの源流
開催:2021年1月27日(水) 20:00~21:00
受講料:日経ビジネス電子版の有料会員は無料(事前登録制、先着順)

※有料会員でない方は、まず会員登録をした上で、参加をお申し込みください(月額2500円、初月無料)

>>参加を申し込む

20:00 オープニング ※(講師紹介、講座紹介)
20:05 ファーストリテイリングの戦略の変遷を創業期にまで遡って紹介。「逆・タイムマシン経営論」の視点から、楠木氏、杉浦氏が同社の強さを分析する。
20:45 質疑応答
21:00 クロージング

■講師

楠木建(くすのき・けん)
一橋ビジネススクール教授
1992年、一橋大学大学院商学研究科博士課程修了、一橋大学商学部専任講師、同助教授、同大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授を経て、2010年から現職

杉浦泰(すぎうら・ゆたか)
社史研究家兼ウェブプログラマー
1990年生まれ、神戸大学大学院経営学研究科を修了後、みさき投資を経て、現在は社史研究家兼ウェブプログラマーとして活動。社史研究は2011年からスタートし、18年1月から長期視点をビジネスパーソンに広める活動を開始(ウェブサイト「決断社史」)。現在はウェブサイト「The社史」を運営する

■教材
+楠木建・杉浦泰著『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』(日経BP)
+逆・タイムマシン経営論 第1章 飛び道具トラップ
+逆・タイムマシン経営論 第2章 激動期トラップ
+逆・タイムマシン経営論 第3章 遠近歪曲(わいきょく)トラップ

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経営に感性はあまり必要ない
人事制度こそ企業の生命線

カジュアル衣料品店でひとり勝ち。年間50店舗の急拡大を続ける。
「人事制度こそ企業の命であり、最大のノウハウ」と言う。
年功序列、終身雇用といった日本型企業システムは捨て去った。
「自由競争だけが企業を強くする」と産業保護を一蹴する。
(聞き手は本誌編集長=当時 永野健二)

※「日経ビジネス」1996年1月15日号より。固有名詞や肩書、数字などは掲載当時のママ。読みやすさや時代背景を考慮し一部表現を改めた部分があります

ファーストリテイリングの柳井正氏(写真は2000年4月、読売新聞/アフロ)

:カジュアル衣料店「ユニクロ」は急速な出店が続いていますね。

:毎年30店舗ずつ出店して、1995年末で210店舗になりました。デザイナーはニューヨークで、生産はアジア、市場は日本、というグローバルな製造小売業の仕組みができたのを機に、出店ペースを毎年50店舗に増やしました。このまま業績が順調に推移すれば、2000年に500店舗、売上高1000億円を達成する予定です。

:1品当たりの価格が3000円前後と非常に安い。やはり、価格破壊を仕掛けていこうという会社なんですか。

:いいえ、普通の小売業ですよ。安い価格帯の商品を店に並べていれば、すべてがディスカウンターと誤解されてしまう。しかし、我々は違います。継続的に安く売れるシステムを確立して商売しているんです。

 売り上げを100%としたら、粗利益はおよそ40%。そのうち経費が30%で、残りの10%だけもうけさせてもらっています。

:ここ数年、流通業では「価格破壊」が流行でしたが。

:「価格破壊」なんて言っているのはおこがましいと思うんですよ。日本は商品の価格が外国と比べて非常に高い。今は価格が正常化する過程にあると僕は思っています。

 でも、現在の小売業の仕組みでは、価格破壊はできません。日本の小売業は従業員が多いから人件費率は高いし、家賃の高いところに出店している。固定費率が高いから、商品の粗利益率も大きくとる。こんな店は、価格破壊者とは言えない。

 一方、ディスカウンターというと、何かを犠牲にして安い値段にしているとか、安い値段も一時的というイメージがありますよね。安く売るシステムをきちんとつくらないと、継続的な価格の引き下げはできません。

続きを読む 2/3 国際的に通用するのはヨーカ堂だけ

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