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新型コロナウイルス感染症の再拡大が続き、依然として収束の気配が見えない中、消費者は企業に何を求めているのでしょうか。本シリーズでは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの調査データから、どのような消費者の⾏動変容が浮かび上がるか、読者の皆さんと考えていきます。

今回は、EC(電子商取引)の利用動向を詳しく見てみます。データを裏付ける皆さんの実体験、または反論などをコメント欄にお寄せください。今回も、皆さんと有意義な議論ができることを楽しみにしております。

ウーバー・イーツなどフードデリバリー代行の利用が急増した(写真:西村尚己/アフロ)

 新型コロナウイルスの感染が日本で初めて確認されてから、まもなく1年。一時は回復基調も見られた景況感は足元では再び悪化しつつあり、個人消費にも冷え込みが続いています。こうした状況の中で格段に存在感を強めたのが、EC(電子商取引=インターネットショッピング)です。

 今回は、コロナ流行下で急激に拡大したEC消費にスポットを当て、データを基に議論していきたいと思います。データはEYの消費者調査結果に加え、匿名化後のクレジットカード購買情報を集計した「JCB消費NOW」の消費指数を使用しています。

 コロナ流行以前にもECは少しずつ普及しており、EC市場はこの数年は前年比5%増程度の水準で成長していました。企業も限定商品や購入割引などオンラインサービスを拡充し、実店舗を削減するなど、ECに軸足を移す動きが見られていました。

EC小売業における消費者購買指数の推移(前年比)
(出所:JCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」 データ(IM+EM系列)を基にEY作成)

 そして2020年。コロナ禍は、こうした消費のオンラインシフトを一気に推し進める契機となりました。今年4月の緊急事態宣言発令以降、EC消費は急速な広がりを見せ、5月上旬には前年比41%増に拡大しています。その後も成長率は小幅になったものの、プラス成長を続けています。ウィズコロナの状況に終わりが見えない中、EC消費はますます人々にとって身近なものとなり、スタンダードとなっていくと考えられます。

オンラインの料理デリバリーは5月上旬に前年比80%増

 特に顕著な成長を見せているのが、飲食料品のEC購入です。中でもコロナ禍によってプレゼンスを高めたのは、やはりウーバー・イーツ(Uber Eats)や出前館といったフードデリバリー代行でしょう。読者の皆さんも、黒いケースを背負って自転車を走らせる宅配ドライバーを見かけることが増えたのではないでしょうか。