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新型コロナウイルス感染症の流行が続く“コロナ禍”において、消費者は今、企業に何を求めているのでしょうか。本シリーズでは、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの調査データから、どのような消費者の行動変容が浮かび上がるか、読者の皆さんと考えていきます。

今回は、「リモートワーカー」と「出社ワーカー」で異なる消費行動をデータで見てみましょう。データを裏付ける実体験、または、反論などをコメント欄にお気軽にお寄せください。今回も、皆さんと有意義な議論ができることを楽しみにしております。

(写真:PIXTA)

 前回は、「[議論]データをどう読む? コロナ感染への不安で揺れる消費欲」と題して、コロナ禍における消費スタイルで日本の消費者が6つのクラスター(集団)に分類できることや、消費者の88%が感染に不安を抱いていることなどをお伝えしました。今回のテーマは、「働く消費者」です。新型コロナ感染症が広がる過程で急速に浸透したリモートワークは、働き手の消費スタイルにどのような変化をもたらしたのでしょうか。

リモートか、出社か? 新たに生まれたマーケティングの視点

 これまでのマーケティング分析においては、年齢や職業など、様々な属性が切り口として用いられてきました。しかし、ウィズコロナ時代には、これだけでは不十分です。「リモートワーカーであるか、否か」は、既存の属性に加え、2020年になって新たに生まれた重要な視点ではないでしょうか。

 本調査(詳細は第1回をご覧ください)で出勤日数の50%以上をリモートワークで勤務していると答えた人をリモートワーカーと定義すると、今年6~8月においては27%がリモートワーカーに該当しました。

「リモートワーカー」「出社ワーカー」の割合
(出所:EYストラテジー・アンド・コンサルティング)

 調査では、リモートワーカーは出社ワーカーに比べて、買い物や外食、レジャーなど全ての業態において消費を大きく減少させていました。下の図は、業態ごとに「利用が減少した」と答えた回答者の割合を示しています。感覚的には「そうだろうな」と思っていたことが、データではっきりと示されています。特に、自動販売機やコンビニエンスストアでの買い物の減少が目立ち、通勤をしなくなったことがこうした「ついで買い」を減らしたと考えられます。

リモートワーク度合い別利用減少業態
(出所:EYストラテジー・アンド・コンサルティング)

 一方で、リモートワーカーたちがウィズコロナの状況に柔軟に適応している姿も見えてきました。リモートワーカーは、動画、ゲーム、電子書籍などあらゆるカテゴリーにおいて、出社ワーカーよりもデジタルコンテンツの利用率が高いことが分かったのです。

 下の図をご覧ください。「YouTubeなどの動画コンテンツ」「映画、ドラマなどの動画コンテンツ」など、どのカテゴリーでもリモートワーカーの利用率が出社ワーカーよりも高いことが分かります。パンデミックが続く中、リモートワーカーは余暇の新しい楽しみ方を積極的に模索していると言えそうです。