新型コロナウイルスの感染者が急拡大している。シリーズ「みんなで考える日本の政策」では、感染拡大の“第3波“においてどのような対策がこれから必要になるか、読者の皆さんのご意見を募集する。12月1日(火)には、西村康稔・経済再生担当相をゲストに招いたウェビナーも開催する。ぜひ、西村大臣にぶつける質問もお寄せいただきたい。

「コロナに慣れないでください。コロナを甘く見ないでください。危機が迫っている。今後も感染拡大が続けば、より強い政策を取らなければいけなくなる」
日本医師会(日医会)の中川俊男会長は11月18日の記者会見で、そう語気を強めた。19日(午後8時30分時点、NHK調べ)に確認された新型コロナウイルスの国内の新規感染者は2377人。1日の新規感染者の過去最多を更新した。
都道府県別では、東京都が最多の534人。大阪府が338人、北海道が267人と続く。重症者数は280人と、7~9月の「第2派」が落ち着いていた10月上旬の2倍の水準になった。医療提供体制は「東京や北海道ですでに逼迫している」(中川氏)状況という。
コロナの感染拡大において度々取り上げられるのが、政府の経済喚起策「Go To キャンペーン」事業との関連性だ。税金で旅行費用を補助する「Go Toトラベル」と外食の予約の際に食事券をつける「Go Toイート」。 コロナ禍で需要が崩壊していた観光業と飲食業を下支えするのが目的で、7月以降に導入された。
7~9月期の日本人の国内旅行消費額は前年同期比56.3%減の2兆9241億円となり、83.2%減だった4~6月期に比べて減少幅が縮小した。9月の外食売上高も前年同月比14%減と、3割減以上だった4、5月から大幅に戻している。ある民間調査では、10月下旬時点で回答者の5割以上がGo Toイートを活用していた。
専門家のみならず、我々も認識が一致しているコロナ対策は、マスク着用や手洗いうがいに加え、「密集しない」ということだ。Go Toイートについて、菅義偉首相は16日の政府の対策本部で、5人以上など一定人数以上での飲食は食事券やポイントの対象外とすることの検討を都道府県知事に要請する考えを示している。
一方、日医会の中川氏が「(感染者増の)きっかけになったことは間違いない」とするGo Toトラベルに関しては「県をまたぐ移動の自粛を一律に要請する状況ではない」(加藤勝信官房長官)というのが政府の受け止め方。加藤氏は「適切な感染対策を講じることで移動による感染リスクを低下させることは可能」とも指摘している。
一つ、気になるデータがある。直近1 週間の10 万人あたりの都道府県別感染者数だ。トップは北海道で29.12人と群を抜いており、大阪府(18.84人)、東京都(16.85人)と大都市部が続く。そして、4位は沖縄で16.31人。「エビデンスはなかなかはっきりしない」(中川氏)ものの、旅行と感染拡大の関係は切り離せないようにも思える。
ここまでGo To キャンペーンについてやや批判的に書いてきたが、読者の皆さんはどういう認識をお持ちだろうか。例えば、来年1月末で割引販売の期限がくるGo Toトラベルは延長すべきかどうか。収束どころか、冬の到来に従ってさらに猛威を振るう新型コロナとの共存において、感染防止と経済活動の両立をどう図ればいいのか。
コロナ対策は他にもある。19日に来年1月以降も継続する方向で調整に入った雇用調整助成金や、申請期限が来年1月半ばの持続化給付金をどうするかも、今後の焦点となる。12月中旬に決まるとみられる2020年度第3次補正予算案の規模について与党から「30兆~40兆円」(世耕弘成・自民党参院幹事長)、「最低15兆〜20兆円」(竹内譲・公明党政調会長)といった声が上がる。
2度の補正予算により今年度の歳出規模は160兆円超に膨れ上がった。国と地方を合わせた基礎的財政収支は67.5兆円の赤字となり、62兆円強を見込む税収も下ぶれする可能性が高い(9月25日の特集「コロナと『日本の借金』 大盤振る舞いのツケ」参照)。コロナだからある程度は仕方ないとみるか、これ以上規律を緩めるべきでないとみるか。
日経ビジネス電子版では、12月1日に西村康稔・経済再生担当相をゲストに招き、「第3波で感染急拡大、冬のコロナ対策で必要なことは?」をテーマにウェビナーを開催する。新型コロナ対策を取りまとめる立場の西村氏に、聞きたいこと、伝えたいことなど、読者の皆さんのご意見を募集する。
【西村康稔・経済再生担当相への質問を募集】

経済再生担当、全世代型社会保障改革担当、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
日経ビジネス電子版は12月1日、西村康稔・経済再生担当相を招いたウェビナーを開催します。今回の議論のテーマ「第3波で感染急拡大、冬のコロナ対策で必要なことは?」 にお寄せいただいたご意見や質問を、日経ビジネス編集委員の安藤毅が代わりに西村氏にぶつけます。
■開催概要
日時:12月1日(火) 13:30~14:10
場所:日経ビジネス電子版(配信URLは後日、こちらのページなどで告知します。お見逃しのないよう、シリーズをフォローしてください)
参加資格:日経ビジネス電子版有料会員
※日経ビジネス電子版有料会員の皆様は追加料金なくご視聴いただけます。無料会員の方は有料会員にご登録ください。
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