幸福感を高める意思疎通法
国際連合が今年3月に発表した「世界幸福度ランキング」で日本は56位でしたが、昨年よりも順位が上がりました。新型コロナ禍で、より良く生きたいと思うからこそ、心の触れ合いを求め、それによって幸せを感じる人が増えたのかもしれません。
ここにもっと注目してみたいと思います。新型コロナ禍における人々の価値観や興味の変化を踏まえ、社内で幸福感を引き寄せるにはどのような方法があるでしょうか。
前回は、企画・開発力を向上させるホラクラシー組織について、実際に運営して組織の成長を実現した経営者にインタビューしました。
ホラクラシー組織の概念は、2007年米国の経営者ブライアン・.ロバートソンが、自身の会社の組織開発について記載した本の内容を、米アパレル大手会社が取り入れたことから広まりました。今では、企業の成長戦略に欠かせない組織体系とされています。
前回の記事で紹介しましたが、ホラクラシー組織をうまく機能させるには「信頼関係をどう構築するか」という工夫が重要です。前回紹介した企業は、経営者が部下にしてほしいことが具体的に明文化され、それに共感して体現できそうな人を採用して組織を運営していました。社員は「向かうところが皆一緒だ」と仲間意識が強く、上下関係なく目標に向かって自らの持てる力を全力で出し合う協力体制がうまく構築されていました。
コロナ禍では、こうした大胆な組織開発を行わなくても、多くの時間を家族と過ごし、人との触れ合いの心地よさや大切さを実感したはずです。家族がいなくて孤独を感じている人も、人恋しさから、会社で関わる人々とのメールであっても、より人間的なコミュニケーションを意識するようになり、以前よりもつながりが深くなっていると感じる人が増えています。
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