本シリーズでは、行動健康科学に基づく組織開発とストレスマネジメントの専門家である川西由美子氏を講師に招き、働き方や上司と部下の関係、チームマネジメントなどについて、読者の皆さんが抱えている悩みに答えたり、分析したりします。 今回は、組織を活性化させるオフィスの在り方について専門家と考えます。
若葉が勢いよく芽吹き、新緑の世界へと街の景色が一変しましたね。
私は、小さな葉からエネルギーが湧き出るこの時期が大好きです。

組織においても入社、退社、異動など、職場環境に変化が起きる時期です。環境が変わってもテンポよくそれに適応することが求められている今、オフィスの在り方や職場環境のつくり方がこれまで以上に重要になっています。
それを踏まえ、今回はオフィスビルなどの建物の自動制御、計測や管理装置などを提供するアズビルの営業拠点であるビルシステムカンパニーの浜田社長からお話を伺い、社員の仕事のパフォーマンスを向上させる職場の在り方について、議論したいと思います。
今回は、実際に社員が業務をこなしている現場であり、商品をお客さんが体感できる場所でもあるアズビルビルシステムカンパニー西東京支店(東京・新宿)に伺いました。
それでは早速、お話を伺ってみたいと思います。

健康第一のオフィスを
川西由美子氏(以下、川西氏):皆さん快活に仕事されている様子で、オフィスに入ると、すぐに心理的にも、体の感覚的にも心地よさを感じました。光の明度や彩度、温度、換気状況などの物理的な環境が悪いと、仕事に集中できずコミュニケーションも悪くなるなど、ストレスを感じる要因となります。これを「物理的ストレッサー」と呼ぶのですが、御社は、そこを解決しているように感じます。
浜田和康・アズビル ビルシステムカンパニー社長(以下、浜田氏):新型コロナウイルス禍の今、在宅勤務も増えており、どこでもオフィスになり得ます。ですから、会社のオフィスは社員にとって使い勝手のいい、居心地のいい場所であるということが重要です。つまり、健康を大切にした「ウエルネスオフィス」でなければいけません。
新型コロナ禍で在宅勤務をしていると、通勤ストレスもなく、周囲の目を気にせずに効率良く仕事ができている人もいます。わざわざ会社に来て仕事をすることがおっくうな方もいます。
その結果、社員同士でコミュニケーションがうまくできなかったり、チームワークが悪くなったりすることもあります。ですから、「オフィスに来たい」と思ってもらえるようにするのがとても大切です。そのためにハード面だけでなく、ソフト面を工夫しました。川西さんに、この場所が心身ともに心地いいと感じていただいてうれしいです。