本シリーズでは、行動健康科学に基づく組織開発とストレスマネジメントの専門家である川西由美子氏(ランスタッドEAP総研所長)を講師に招き、働き方や上司と部下の関係、チームマネジメントなどについて、読者の皆さんが抱えている悩みに答えていきます。

 今回は、ストレスの大きな要因となりかねない仕事にフォーカスを当て、仕事の捉え方や達成感の要因などを探っていきたいと思います。


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(写真:PIXTA)

 こんにちは、川西由美子です。

 都市部は緊急事態宣言の発令下ですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。新型コロナウイルスの新規感染者数は3000人を下回る日が続き、一時のピークは脱した感があります。ただ、この流れを継続させるのも私たち次第。一人一人の意識が試されていますね。

 さて、前回の議論では、コロナによって、不安が募り、好きなことがしにくい状況が続く中、いかにストレスをため込まず生活していくかをテーマとしました。KEN.Aさんは「ゆっくりとした深い呼吸をする」という工夫をシェアしてくださいました。

KEN.A
 
抱える問題そのものは
人や状況によって違いは大きく、複雑である前提となりますが、
基本動作としてゆっくりとした深い呼吸を意識しています。
(中略)
息切れしたときは
少ししんどいかもですが、ゆっくりとした深い呼吸を20回くらい頑張ってみると、血中の酸素濃度が1〜2パーセントくらい上げられて、息切れを緩和させやすくなります。

 記事では、「ストレスタンク」を大きくして、ストレスに対する認知を変える重要性を指摘しましたが、それを引き出す有効な手段の1つが呼吸です。ゆったりした呼吸は心身をリラックスさせる副交感神経の活性化につながり、視野を広めることができます。

川西由美子(かわにし・ゆみこ)
1998年に行動健康科学をベースにしたコンサルティング会社を創立。2005年に設立したEAP総研の代表取締役として多くの企業でメンタルヘルス対策などにあたり、その後、フィンランドで、世界25カ国で使われている組織活性化技法「リチーミング」の指導者資格を取得。現在はランスタッド傘下となったEAP総研の所長を務める。臨床心理学や産業組織心理学が専門で、著書に『ココロを癒せば会社は伸びる』(ダイヤモンド社)、訳書に『産業組織心理学によるこれからのリーダーシップ』(日科技連)など。ベトナムやインドネシアの企業・大学でも研修・教育活動を行っている。

 今回は、ストレスの大きな要因となりかねない仕事にフォーカスを当て、仕事の捉え方や達成感の高め方などを探っていきたいと思います。

 仕事とは何でしょうか。単なる収入源でしょうか。生きる楽しみでしょうか。「仕事に何を求めるか」という多くの調査において、上位にくるのは「やりがい」です。

 人は集団で生活しており、1人で完結する仕事などありません。そして、人と人との関係性においては当然、期待や満足感、達成感、そして、ストレスが生じます。そんな中で仕事にやりがいを感じるための大切なポイントは、仕事自体をどう認知するかです。

 以前、あるテレビ番組で、年中氷点下の北極圏に住む人、南米アマゾンのジャングルに住む人、インフラ設備のない離島に住む人に、「あなたが楽しいと思うことは何ですか」という質問をしていました。

 それに対し、なんと全ての人が「ハンティング」と答えたのです。

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