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自分が望むキャリアを主体的に築いていくにはどうすればいいのかを、「マーケティング」の観点から学ぶシリーズ「“働く”をマーケティングする」。一般社団法人マーケターキャリア協会(MCA)理事の富永朋信氏らを講師に招き、読者の皆さんと一緒に議論をしながら、マーケティングのエッセンスをキャリア形成に生かす方法を身に付けます。

議論は全8回、以下の各章で2回ずつ実施します。

第1章 あなたをブランド化する
第2章 相手の気持ちを読む
第3章 ポジショニング
第4章 マーケティングを武器にする

今回は第1章「あなたをブランド化する」の2回目。前回の議論を紹介しつつ、新たなテーマについても考えます。

自分をブランド化する方法とは?(写真:PIXTA)

 皆さん、こんにちは。一般社団法人マーケターキャリア協会(MCA)事務局の久野祐揮と申します。AI(人工知能)・ロボティクスのプリファードネットワークス(東京・千代田)でマーケターをしており、前回の著者、富永さんの部下にあたります。ボスから直々に指名を受け、第1回の議論を引き継いで執筆をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

久野 祐揮
プリファードネットワークス マーケティング
東京工業大学で制御工学、大学院で経営工学を学び、2011年に博報堂に入社。アクティベーションプランニングを軸としながら、イベント、インタラクティブ企画、映像、PRなど様々分野で活動。2016年にクリエイティブブティックであるSIXに出向。さらに領域を広げ、事業全体のプランニングなどもクライアントとともに行ってきた。2019年にプリファードネットワークスに入社。テクノロジーにフォーカスを定め、世の中が一変するようなプロジェクトをいくつも仕掛けるべく活動中。仕事の15%くらいは引き続きプランナー活動も行っている。最近はパフェ店のプロデュースなども手掛ける。

 少しだけ自己紹介をいたします。私は大学時代、東京工業大学という純度100%理系の大学で機械系の学部に通っていました。微分積分、線形代数にまみれながら、授業でロボコンのためのロボットを作る。そんな日々を過ごしました。

 その後、大学院に入るときに一念発起して経営に専攻をくら替えしました。就職の際には広告会社の博報堂に入社し、プランナーとして8年半勤め、約1年前にAI(人工知能)・ロボティクスの会社であるプリファードネットワークスにマーケターとして入社しました。

 さて、それでは本題に入ります。皆さんは前回の議論をお楽しみいただけましたでしょうか。簡単に議題をおさらいしておきましょう。

【第1章】あなたをブランド化する
お題(1)[議論]望まない仕事の責任者に抜てき、このまま流されて大丈夫?

 大学を卒業後スーパーマーケットに就職したA君。マーケティング職を希望しつつも店舗配属となり10年。メキメキと頭角を現し、気づけば店舗運営の達人に。しかし、A君はマーケティングへの思いを捨てきれません。

 そんな中、社内でマーケティングの部門の公募が目に入ります。これまで店舗で統べていたチームからは規模が圧倒的に縮小しますが、A君にとっては念願のマーケティング職へのチケットです。順風満帆の店長職を続けるか、それとも裸一貫マーケターとしてのイメージをゼロから構築することになるポジションに応募するか。

 このような議題でした。

 意見は真っ二つに分かれました。割合で見ると、「店長職を続けるべきだ」が42.9%、「マーケター職に応募すべきだ」が50%、中立が7.1%です(8月26日午前11時現在)。この議題はとても奥深いです。外野から考えると「応募すべきだ」とスパッと言い切ってしまえる気もしますが、一方自分ごととしてリアルに、解像度を高くして考えると、本当にその決断を取ることができるだろうかという悩みを抱えることも納得がいきます。

 この議題について、私なりの考えを書かせていただきます。