読者の皆さんと一緒に親、そして自分自身の「老い」とうまく付き合うための「エイジングリテラシー」を学ぶシリーズ。前回は、「団塊ジュニアはもう若くない」という問題意識から、健康寿命の延ばし方について議論しました。

議論のテーマ(7)
新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークの日々が続いています。最初の頃は毎日3キロほどジョギングしていたのですが、それにも飽きてしまいました。40代後半に突入し、気が付けば腹の回りの肉はたるみ、ちょっとした運動ですぐに筋肉痛になるほどで、明らかに体力が衰えています。一方、「食欲の秋」のせいか、ついつい食べ過ぎてしまう傾向にあります。健康を維持するために、今日から何をしたらいいでしょうか。(46歳 男性 会社員)

 今回は読者の皆さんからのコメントを踏まえ、団塊ジュニア世代の健康維持で留意すべきポイントを解説します。

スポーツをいきなり始めるとけがのもと。団塊ジュニア世代も要注意(写真:PIXTA)
スポーツをいきなり始めるとけがのもと。団塊ジュニア世代も要注意(写真:PIXTA)

 リクシス副社長の酒井です。前回の連載記事「団塊ジュニアはもう若くない! 健康寿命をどう延ばす?」には、多くのコメントを頂戴しました。今回は、そうしたコメントを参照しながら「意外と知られていない入院のリスク」について、エイジング・リテラシーを獲得していただこうと思います。では早速、読者コメントから。

(※引用するコメントは読みやすさを考慮し、一部編集している場合があります)


wkb48
 私は死ぬほど健康に気を使ってますが、強力なモチベーションがあるんですよね。将来元気に孫の世話を手伝いたいっていう(笑)。そういうものがない人も、結構いますよね。無理に長生きしたいとは思わない、とか、死ぬときゃ死ぬんだから、とか。で、生活習慣には無頓着。
 でも、なかなかコロリと死ねないのが人間。脳や心臓で倒れて要介護になって家族に迷惑かけまくって、ままならない体でQOL(Quality of Life=生活の質)の低い人生を数十年だらだら生きる……。これ最悪じゃないですか?可能な限り避ける努力をすべきです。「自分だけは大丈夫」みたいな非現実的で楽観的なシナリオはNGです。

 本当に重要な視点です。まず、何のために健康でいたいのか、つまり「目的」は、健康維持のためにはもちろん、仮に介護が必要となったときに介護を重度化させないためにも大切です。少しでも健康であることは手段であって、目的ではないということをしっかりと肝に銘じたいですね。少しずつでも構わないので、自分が生きる意味について、自分なりの軸を形成したいものです。

 「自分だけは大丈夫」と思い込むのは危険という指摘も、全くおっしゃる通りです。心理学的には「正常性バイアス(normalcy bias)」と言って、人間には、自分に都合の悪い情報を無視したり過小評価したりする傾向があることが分かっています。特に団塊ジュニア世代には、今後、かなり厳しい老後が待っています。

 そして、団塊ジュニア世代の定年退職までは、あと10年ちょっとです。どうしても、しっかりとした準備が必要になります。では、次のコメントを見てみましょう。


Makita
人事リーダー
 他の方のコメントにもありますが、はやりの「睡眠負債」と同様に、不健康な生活習慣の蓄積による「健康負債」は、ミドルエイジ以降年を取れば取るほど挽回が難しいなと思います。私自身は50代半ばで、そこまで体に害のある生活は送ってきていないものの、積極的な良い生活習慣(例えば定期的な適正な運動)をこの数年怠っていたため、いくつかの生活習慣病を軽度ですが抱えています。禁欲的に考えると窮屈すぎますが、できる範囲で良い生活習慣を、40歳を迎えたら意図的に行うことを勧めたいです。

 こちらも、貴重なコメントです。若いときから無理をしてきた結果としての「健康負債」を、少しずつでも返却していかないとなりませんね。ただ、ご指摘の通り、禁欲的にすぎると窮屈で、かえって無駄なストレスにもなりかねません。意識してエレベーターやエスカレーターを避けるなど、続けられる習慣をデザインすることで対応していきたいものですね。

 私自身も、オフィスに行くときは、片道1時間の道のりを、できる限り歩くようにしています。コロナのリスクを回避しながら、それこそ「健康負債」の返却にもなると考えているからです。また、そうして歩くときは、途中の風景をSNSでシェアするなどして、モチベーションの維持にも工夫しています。


gode
 ズバリ団塊ジュニアの世代です。健康には注意して生活をしています。20歳の頃とほぼ同じ体重を維持しています(体形はどうかな……)。あと、えとが一回りすると還暦ということが信じられずあがいております。週一以上はジョギングしています(7~8km/回)。(中略)とにかく老後という言葉が現実味を帯びてきた時期です。ようやく気付いたと言っていいかもしれません。

 こういうことは、1人でコツコツとやるよりも、仲間とワイワイやったほうが楽しく続けられますよね。繰り返しになりますが、重要なのは、続けられる習慣をつくることです。団塊ジュニア世代に限らないことですが、同世代の行動に刺激を受けながら、老後がすぐ目の前に迫っていることを現実として受け止め、逃げることなく、具体的な行動をしていきたいものです。

 さて、こうして多数頂戴したコメントの中に、次のようなものがありました。とても示唆に富んでいるので、読者の皆様も、少しじっくりと読んでみてください。

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