(写真:PIXTA)
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 こんにちは。リクシス佐々木です。

 今回は、「つながり」が健康寿命に与える影響について、最新の研究結果をひもときながら、日本の高齢者の現状について考えを深めていきたいと思います。

社会的な「つながり」は、喫煙、肥満、高血圧よりも健康寿命に影響する

 実は、「孤独」や「社会的孤立」が、高齢者の健康と寿命に悪影響を与える可能性があることは、数多くの研究ですでに立証されています。

 ブリガムヤング大学のホルトランステッド教授らは、2010年に148本の研究データを解析し、社会的なつながりの有無は、喫煙や飲酒、高血圧等よりも、死亡率に影響することを明らかにしました。

 また、同じ研究グループは、2015年には、「社会的孤立」は29%、「孤独感」は26%、「ひとり暮らし」は32%も死亡率を高めることを、分析・発表しています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25910392/

 なお、【「社会的孤立」とは社会とのつながりや交流が少ないことであり、「孤独」とは孤立についての主観的な認識、つまり社会的つながりのレベルについて個人の願望と実際のレベルの差のことを指す】と、ホルトランステッド教授は定義しています。

 実際、教授らの研究対象で「孤独」を感じていた人の多くは、結婚しており、家族と同居していたそうです。社会的に孤立していない人、独居でない人でも「孤独感」を感じる人は少なくない、ということなのです。

 こうした「孤独」が、身体にどのような影響を与えるのかについても、2013年にphycological scienceに掲載された研究データで少しずつ明らかになってきました。

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