こんにちは。リクシスの佐々木です。

 前回は、「新しいチャレンジをいとわないこと、好奇心が強いことが、脳の認知機能を健やかに保つことにつながる」という点について、最新の研究結果とともにお話ししました。

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)
(※引用するコメントは読みやすさを考慮し、一部編集している場合があります)

「生きる目標」が認知機能に与える影響とは


しろふくろう
自然界
楽しいこと、やりたいことがある人は、たぶん認知症にはならない。人生がいやだなーとか、鬱っぽくなると、認知症発症の引き金になると思う。仕事とは別に、生涯楽しめる趣味を持つことは大事ですね。

 最近の海外の研究では、「生きる目標を持つ」ことが、認知機能に対して、しろふくろうさんがおっしゃる以上の驚きの結果を生むことが分かってきています。

 米国ラッシュ大学の研究者たちは、約250人の高齢者を対象に、10年にわたって認知機能調査とともに人生の目標の有無などをヒアリングし、その人たちが亡くなった後に脳の解剖を行うという大規模な調査を行いました。

 その結果、高齢になっても「生きる目標を持っていた」人は、たとえ脳の中でアルツハイマー型認知症の神経病理学的な兆候が進行していた場合でも、実際の生活の場面においては認知機能を高く維持できていたことが判明したのです。

 研究者たちは、高齢になっても何かしらの目標を持ち続けてポジティブに生活することは、脳の病理変化にも対抗できる強い神経システムを作り上げるのではないか、と推測しています。

出典:<br>Boyle,P.A.,Buchman,A.S.,Wilson,R.S.,Yu,L.,Schneider,J.A.,&amp;Bennett,D.A.(2012).Effect of purpose in life on the relation between Alzheimer disease pathologic changes on cognitive function in advanced age. Archives of General Psychiatry,69,499-504.
出典:
Boyle,P.A.,Buchman,A.S.,Wilson,R.S.,Yu,L.,Schneider,J.A.,&Bennett,D.A.(2012).Effect of purpose in life on the relation between Alzheimer disease pathologic changes on cognitive function in advanced age. Archives of General Psychiatry,69,499-504.
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