7割以上が「介護が始まったら仕事を続けられない」と考える現実

 リクシスの調査でも、「既に要介護認定者を日常的にサポートしている」と答えた企業従業員の割合は、20~30代でも15~30人に1人の割合で存在し、「3年以内に介護が始まる可能性を感じている」企業従業員の割合は、実に全体の3割に上ることが分かっています。

 これから先の20年は、これまでの20年とは構造的に大きく違います。仕事と介護の両立は、年齢・性別を問わず、多くの人が「自分事として直面する」時代に突入していくということでしょう。

問題は「離職防止」ではなく「通常通り働き続けることができるか」
<span class="textColTeal fontSizeL">問題は「離職防止」ではなく「通常通り働き続けることができるか」</span>
[画像のクリックで拡大表示]

 「仕事と介護の両立」がこれだけのインパクトを持つ事象になってくると、ただでさえ生産人口が減っていく日本社会において、企業にとっても、私たち個人にとっても重要なのは、「いかに柔軟に休んで離職しないようにするか」ではなく、「いかに通常通り働きながら介護と両立するか」です。

 実際、介護休業や介護休暇という法的にも認められた「休む制度」はどの企業でもそろっていますが、実際に制度を活用する方は今でも非常に少ないといわれています。皆さんもそうだと思いますが、「たとえ介護問題が家族に発生したとしても、できる限り働き方を大きく変えず、通常通り働き続けたい」というのが、多くのビジネスパーソンの本音ではないでしょうか。

 しかし、現状ではその見通しを持てていない。ほとんどのビジネスパーソンが「できる限り通常通り働き続けたい」と思っているのに、7割以上が「介護が始まったら仕事は続けられない/続けられるか分からない」と思っている、というのが実態なのです。

 この10年で健康寿命を延ばすための研究も進み、仕事と介護の両立を可能にする様々な選択肢が増え、「エイジングリテラシーの有無」によって負担の程度も大きく変わり得るようになりました。にもかかわらず、2025年問題が目前に迫っている今でも、なぜ多くのビジネスパーソンが「丸腰」かつ「見通しが持てない」状態に陥っているのでしょうか。

次ページ なぜ、エイジングリテラシーを上げる“介活”は一般的にならないのか