読者の皆さんと一緒に親、そして自分自身の「老い」とうまく付き合うための「エイジングリテラシー」を学ぶシリーズ。今回のテーマは、外出自粛による「小さな体調の変化」です。アクティブに活動していた方も要注意。皆さんの体験談や悩みなど、ご意見をコメント欄にお寄せください。

アクティブだった人でも外出自粛で「眠れない」「聞こえない」といった体調不良に(写真:PIXTA)
アクティブだった人でも外出自粛で「眠れない」「聞こえない」といった体調不良に(写真:PIXTA)

 リクシスでチーフ・ケア・オフィサー(CCO)を務めている木場猛です。今回は、コロナ前後で高齢者に何が起きたのか、について現時点で分かっていることをご紹介します。昨年に続き2度目の緊急事態宣言で外出を自粛する方が多くなった今、高齢者の健康にどういった影響が出ているのか、改めて考えてみたいと思います。

議論のテーマ(10)

外出自粛の期間に高齢者の体力低下が懸念されていました。実際に高齢者にはどういった影響が出ていたのでしょうか。

自粛期間に高齢者の身体活動は約3割低下

 国立長寿医療研究センターが昨年1月から4月にかけて65~84歳の高齢者1600人に対して行った調査では、自粛期間に高齢者の身体活動は約3割低下した、といわれています。

1週間あたりの身体活動時間(分)の変化
1週間あたりの身体活動時間(分)の変化

 この身体活動の低下は高齢者の健康に大きな影響を与え、転倒・骨折しやすくなったり、要介護状態に進むきっかけになったりすることがあります。実際に、昨年7月に行われた調査では、外出自粛の影響で身体に不調を感じると答えた方が34.5%と、少なくない結果が出ています。

新型コロナウイルスの影響で、高齢者の運動不足・体調不良は増えている
新型コロナウイルスの影響で、高齢者の運動不足・体調不良は増えている
出所:オムロンヘルスケア「65歳以上の高齢者1000人に聞いた“withコロナ”実態調査」(2020年)
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 コロナ禍で介護中の方が悪化したという調査はありますが、比較的お元気だったシニアに具体的にどんな影響があったのかについては、既存のデータではまだあまり見えていません。

 今回は特に「アクティブシニア」といわれる層の高齢者に起こった変化について、事例をご紹介します。

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