読者の皆さんと一緒に親、そして自分自身の「老い」とうまく付き合うための「エイジングリテラシー」を学ぶシリーズ。2021年最初の今回は、リクルートワークス研究所が発表した興味深いリポートを紹介しつつ、高齢家族のサポートをしながら働き続けるためには何が必要かを、改めて考えます。ぜひ、ご意見をお寄せください。

皆様、年末年始はどのようにお過ごしになりましたか。
首都圏を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大で、親御さんと会うことを諦めた方も、きっと多くいらしたのではないかと思います。
今年も、元気な長生きの実現、そして、現役世代の方々が万一、親御さんの介護に直面したときに役に立つような情報を提供していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
さて、今回は非常に興味深いリポートを紹介しつつ、高齢家族のサポートをしながら働き続けるために必要なことについて、考えてみたいと思います。ぜひ、皆様のご意見やご感想をコメント欄にお寄せください。
そのリポートは、リクルートワークス研究所が2020年12月4日に発表した「介護発生前の個人の備えや会社支援が、介護離職・介護疲労に与える影響」です。65 歳以上の高齢者を介護した経験がある現在 45~64 歳の男女、かつ、最初の介護が発生した時点で正社員として働いていた4233人が対象となっています。
仕事と介護の両立についてはいろいろな研究がありますが、このリポートでは、介護発生前の備えや会社による支援が、介護による疲労、介護離職にどのように影響するのかを詳細に分析しています。
介護発生前の行動と介護離職の関係を分析すると…
まず初めに介護離職の原因についての分析を見てみましょう。
要因を分析すると、介護発生の初期から自分以外に主たる介護者となってくれる人がいると、介護離職の発生を抑止できるという結果が出ています。これは直感的にも納得感できると思います。
では、家族でも事業者でも良いのですが、自分以外に主たる介護者を得るためには、介護発生前にどのようなことをしていればよかったのでしょうか。
この結果が非常に興味深いものでした。