一部署では限界がある

田代氏:SDGsは大切だという意識は個人としてもずっと持っていたのですが、「SDGs推進室」という一部署が手掛けるのでなくて、グループ全体で取り組みたいという思いがありました。それには誰かまとめ役が必要なので、「私が」という思いで手を挙げました。

篠田氏:おっしゃるように一部署ではなくてグループ全体でというのは大切だと思います。とはいえ、なかなかグループ全体に広げるのは難しいのではないでしょうか。SDGsは比較的新しい言葉であって、しかも、従来のビジネスの考え方の中には包摂しにくいものです。「これが大事だ」と、どうやって説明するのでしょう。

エール取締役の篠田真貴子氏(写真:伊藤菜々子)
エール取締役の篠田真貴子氏(写真:伊藤菜々子)

田代氏:まだまだこれからなのですが(笑)。社内には、やらないといけないという思いを持っている人はいます。でも、これに取り組むと既存事業の目標が達成できなくなるとか、人員などのリソースを割くのかとか、そういう話に必ずなります。ただ、会社として、「SDGs」は大事なのだと方向性を示せば動くことも多い。そのために、役員レベルで引っ張っていくという意味でも、私がいるのだと思っています。

 SDGsやESGに対する感度は人それぞれだと思います。感度の低い人や部署に対するフォローは、一個人や一部署の力では限界がある。そこを、組織全体で底上げしていきたいと考えています。一個人だけ、一部署だけが頑張っている会社は弱いというか、長続きしないと思います。

 私たちは今、2030年に向けてグループとして目指すビジョンを作成しているところです。その中で、当然SDGsは重要な位置付けです。10年後には今の経営陣の大半はいません。早くからSDGsに取り組む社員の母数を増やしていかないといけないのです。

 (後編に続きます。お見逃しのないようシリーズをフォローしてください)

【ご意見募集 「SDGs」についてどう思う?】

■[議論]SDGsに関する違和感、ファッションでバッジ付けてない?

 今回は2015年に国連で採択された「SDGs」をテーマに、大和証券グループ本社の田代桂子副社長に話を聞きました。そもそも、「SDGs」とはどのようなもので、スーツに「SDGsバッジ」を付けている人でも、どこまで本気で取り組んでいるかという、篠田さんの”違和感“を、SDGs担当役員の田代さんにぶつけました。田代さんは、「証券会社にできることはたくさんある」として、組織全体で取り組みたいと意気込みを語っています。

 皆さんは、SDGsと企業の関係をどのように受け止めていますか。篠田さんのような違和感を抱いているか、もしくは、しっかりと腹落ちして本気で取り組むべきだと考えて実行に移しているかなど、ご意見をお待ちしています。

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この記事はシリーズ「篠田真貴子の「経営の“常識”にツッコミ!」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。