証券会社が考えるESG投資とは?

<span class="fontBold">田代桂子(たしろ・けいこ)氏</span><br />1986年大和証券入社。2004年グループ本社IR室長。09年執行役員。ダイレクト担当、金融市場担当を経て、13年グループ本社の常務執行役員。米州担当兼大和証券キャピタル・マーケッツアメリカホールディングスInc.会長を歴任。2019年取締役兼執行役副社長、海外担当。20年からSDGs担当を兼務。(写真:伊藤菜々子)
田代桂子(たしろ・けいこ)氏
1986年大和証券入社。2004年グループ本社IR室長。09年執行役員。ダイレクト担当、金融市場担当を経て、13年グループ本社の常務執行役員。米州担当兼大和証券キャピタル・マーケッツアメリカホールディングスInc.会長を歴任。2019年取締役兼執行役副社長、海外担当。20年からSDGs担当を兼務。(写真:伊藤菜々子)

篠田氏:SDGsと並ぶ、もう1つのキーワードとして、ESG(環境・社会・企業統治)についても聞きたいと思います。厳密には当然違うと概念だと思うのですが、田代さんは「ESG」という言葉をどう説明しますか。

田代氏:SDGsとはもちろん関係ありますよね。

 投資で言えば、最終的に誰がお金を持っているのかというと、個人です。それを投資会社や年金基金などに預けて運用しています。そのときに、個人が「環境」や「SDGs」ということを考え始めると、年金基金や投資機関、国などに「どうなっているの」と尋ねたくなります。そういう流れがESGのはしりだと私は思っています。

 日本では個人の声があまり大きく表に出てきにくいから、ESGという言葉は何となくとってつけたような感じにもなってしまうのだと思います。環境問題を訴えるスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんのように、行動を起こす個人が多くいる国であれば、自分たちの行動が株式市場、そして経済を動かしていると、より強く感じられると思うのですが。

篠田氏:日本だと国の年金制度の中で厚生年金保険料が給与天引きされていることもあってか、自分のお金が機関投資家に運用されているのだという実感は、なかなか持ちにくいのでしょうね。

 環境問題や人権問題について強い関心を持つ欧米の若い人たちは、学生でもデモや署名活動などのキャンペーンに積極的に参加し、SNS(交流サイト)でも自分の意見を表明していて、それを学校の先生たちも後押ししていますよね。そういった行動をする子供を持つ親も、子供の手前もあって自分ができることは何かと考えていくということとつながっていくのかなと思います。

田代さんは自分からSDGs担当役員に手を挙げたと聞いています。なぜでしょうか。

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