APU出口学長とエール篠田取締役が語る「日本のレガシー」

<span class="fontBold">出口治明(でぐち・はるあき)氏</span><br>立命館アジア太平洋大学(APU)学長<br>1948年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。1972年、京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年上場。10年間社長、会長を務める。2018年1月より現職。(写真:山本 厳)
出口治明(でぐち・はるあき)氏
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。1972年、京都大学法学部卒業後、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年上場。10年間社長、会長を務める。2018年1月より現職。(写真:山本 厳)

 新型コロナの感染拡大がビジネスパーソンに及ぼした大きな影響の1つが、テレワークによる在宅勤務の浸透だ。これが短期的な変化にとどまらず、日本の企業社会を根本的に変革するきっかけになると期待をかけるのが、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏だ。

 出口氏は、日本生命保険を経て、60歳のときにオンライン生命保険のライフネット生命を立ち上げた人物。2018年からはAPUの学長に転じ、若い才能の育成に力を注ぐ。これまでに世界1200都市以上を訪問し、1万冊以上の本を読破しており、日経ビジネス電子版の連載「出口治明の『5000年史』講座」では、ダイナミックに人類史を解説し多くの読者から支持を集めている。

 「在宅勤務が広がったことで、付き合いで上司の下手なカラオケを聴かなくてすむようになって喜んでいる人も多いのではないか。長時間労働、付き合い残業、付き合い飲み会がなくても仕事は回る。1970年以来G7最下位を続けてきた日本の労働生産性も少しは上がるような気がする」と、出口氏は日経ビジネスのインタビューで語っている。

<span class="fontBold">篠田真貴子(しのだ・まきこ)氏</span><br>エール取締役<br>日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008年にほぼ日(旧・東京糸井重里事務所)入社、CFO(最高財務責任者)に。2018年11月に退社し、「ジョブレス」期間を経て2020年3月より現職
篠田真貴子(しのだ・まきこ)氏
エール取締役
日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008年にほぼ日(旧・東京糸井重里事務所)入社、CFO(最高財務責任者)に。2018年11月に退社し、「ジョブレス」期間を経て2020年3月より現職

 テレワークの浸透が組織のあり方に及ぼす影響を早くから指摘していたのが、エール取締役の篠田真貴子氏だ。外資系企業やほぼ日(旧・東京糸井重里事務所)など過去20年ほどテレワークが可能な職場で働いてきたという篠田氏は、「そもそも多くの企業が『我が社には到底(テレワークの導入は)できない』」と言っていたにもかかわらず、これほど急速に普及したことによる様々なひずみを懸念する。

 その1つが“より戻し”。コロナ禍でのテレワーク導入は一時的な措置だったとして、収束してきた際にコロナ以前の働き方に戻そうと経営陣が判断することだ。「『リモートワークのメリット』を一度知った社員からすると、後戻りはあり得ない」と篠田氏は3月に日経ビジネスが実施した鼎談(ていだん)で語っている。

 コロナ・ショックで変化が迫られている日本のレガシーは、働き方だけではない。多くのビジネス慣行や社会制度、そして人々の価値観が見直されようとしている。ニューノーマルの時代に引き継ぐべきもの、そして変えるべきものとはなにか。出口氏と篠田氏の議論からは、どのような視点が飛び出すのか。

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