新型コロナウイルス感染症という新たなリスクと隣り合わせになった社会で暮らす際のコミュニケーションの在り方を、“マナー”という切り口から考えるシリーズ。今回は、日々の生活に欠かせない鉄道やバスなどの公共交通機関の利用シーンについて、皆さんのご意見をお聞きしたい。
例えば、電車内ではほとんどの乗客がマスクを着用しているなど、公共交通機関の利用風景は様変わりしている。第1回の記事で、車内での会話に関するエピソードを紹介した通り、どことなく緊張感が漂っていると感じる読者も少なくないのではないだろうか。そのような状況に、サービスを提供する側はどのように向き合っているのだろうか。
今回は西武鉄道のお客さまサービス課、堀口弘恵さんに話を聞く。鉄道事業者が取り組む感染症対策はどのようなもので、利用者にはどのような行動を呼び掛けているのだろうか。安心・安全に公共交通機関を利用するための他者への配慮について考えてみたい。
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まず、西武鉄道はどのような新型コロナウイルス対策を実施しているのだろうか。
堀口さんは「手すりやエレベーターのボタンなど駅構内の消毒は1日に1回、つり革など車内も毎日消毒作業をしており、1編成当たりでみると5日に1度を目安に実施している」と語る。
西武鉄道は新型コロナ対策として、1月下旬から社内向けに手洗いやうがいの励行を開始。2月初旬に感染症対策のため執行役員らを含めた対策チームを発足し、同月中旬からは駅構内の設備の消毒・清掃を強化した。駅構内には飛沫感染防止ためのビニルシートなどの設置もしている。
さらに暑さが増してきた現在、例年と異なる点として取り組むのが列車内の窓開けだ。通常であれば、冷房効果を高めるために窓は閉めているが、今年は1車両当たり6つの窓を、それぞれ10センチ程度、開けている。
冷房装置からの外気の取り入れと乗降時のドアの開閉と併用することで通勤車両は約5分で、特急車両は冷房により4~5分程度で車内の空気が入れ替わる仕組みになっているという。
堀口さんは「暑さで不快にならない程度ということは前提だが、感染リスクを下げて安心して利用してもらうことを優先している」と語る。
冷房装置からも換気しているとポスターやホームページなどで伝えており、「豪雨時などで窓が開けられないときにも、安心して利用してもらいたい」との気遣いも見せる。

では利用者にはどのような行動を取るように呼び掛けているのか。
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