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 読者の皆さんとコロナ後のキャリアや組織を考えていくシリーズ「世界の事例で考えるコロナ後のキャリアと組織」。前回の記事「[議論]ちゃめっ気も必要? コロナ後のリーダー像とは」では、コロナ後のリーダー像について、具体的なエピソードなどと共に皆さんからのご意見を募集しました。たくさんのコメント、ありがとうございます。

 今回は皆さんからいただいたコメントを踏まえ、前回に引き続き組織・人事に関する大手コンサルティングファーム、コーン・フェリーの滝波純一日本共同代表を講師に迎え、コロナ後に求められるリーダー像について解説してもらいます。

(写真:PIXTA)

北西厚一(日経ビジネス編集)前回は滝波氏から、世界のリーダーがコロナ禍でどのような行動を始めているのか、実例をいくつか挙げていただきました。そこでは、あえてライバルと手を結ぶ、組織を固めつつ自己の能力アップに励む、ユーモアのある行動で結束力を高める、といったケースが紹介されました。いずれもピンチをチャンスと捉え、前向きに取り組んでいるのが印象的でしたね。

 読者の皆さんからも、ポスト(post)コロナ、ウィズ(with)コロナの環境の下でリーダーはどうあるべきかについて、様々な意見をいただきました。「リーダーこそチャレンジ精神を持つべきだ」「素早く判断し、メンバーに説明することで透明性を保ち、間違えたときは素直に謝ればいい」といったご指摘が多かったように思います。

 ポイントは、先行きが見えない不安定な状況だからこそ、組織内の関係をこれまで以上に安定化させるべきだ、ということでしょうか。それでは滝波さんに、コーン・フェリーが考える「コロナ後のリーダーが持つべき要素」について、解説していただきます。

滝波純一(たきなみ・じゅんいち)
京都大学工学部卒・同大学院応用システム科学修士。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経営学修士(MBA)。東レ、ボストン・コンサルティング・グループを経て、ヘイコンサルティンググループ(現コーン・フェリー)に入社。2019年から日本共同代表。金融、医薬品、消費財、流通、情報通信などの業界に対し、組織改革、リーダーシップ開発、グローバル人事制度設計、M&A支援など、コンサルティング経験を豊富に有する

滝波純一(コーン・フェリー日本共同代表): コーン・フェリーの滝波です。皆さん、多くのコメントありがとうございます。それぞれのご意見をなるほどと思いながら拝見しておりました。コーン・フェリーが独自に持つリーダーシップ・スキルのデータと符合するところが多かったからです。

 一昨年、世界の15万人のリーダーを対象に、ディスラプティブ(破壊的)な時代に求められるリーダーシップやスキルを調査しました。在宅勤務やオンライン会議など働き方を大きく変えた新型コロナは、まさに破壊的な出来事ですね。

 我々は、そういった時代を生きるリーダーを「セルフ・ディスラプティブ・リーダー」と呼んでいます。そして、この調査からは、以下5つの要素が重要であることが分かりました。それぞれの頭文字を取って「ADAPT」です。それぞれの頭文字がどのような意味を持つのか、読者の皆さんのコメントを踏まえつつ解説します。