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Go To トラベルによって、コロナ禍の観光業に薄日が差してきたようにもみえる。コロナ禍の観光にいち早く手を打ってきた星野リゾートの星野佳路代表に聞いた。

星野リゾートの星野佳路代表(写真=栗原克己)

観光業は現在どのような状態にあると考えますか。

星野佳路氏(以下、星野氏):都市と観光地に分けて考えたほうがいい。日本の観光需要は25兆円ほどあり、これを都市と観光地に分けると、都市が3分の1、観光地が3分の2ほどで観光地のほうが大きいと私はみている。このうち観光地はGo To トラベルが始まり、かなりいい状態にある。Go Toトラベルが始まったときには高単価な施設が有利といわれ、低単価のところには全然顧客が行っていないという批判があった。確かに当初は高価格帯の施設のほうが先に予約が入ったが、Go Toトラベルの期間に旅行したいという人の需要は基本的に拡大していて、そのために今は中価格帯の施設の予約が入り始めていて、それが廉価な施設にも広がっている。満室になっていくまでにタイムラグはあるものの、Go Toトラベルは観光地の宿泊業全体にとってかなりプラスなキャンペーンになっている。

 一方で都市はまだ苦戦している。例えばインバウンドが多かった京都、東京はGo Toトラベルが届いていない面がありまだ苦しい。都市と観光地はそれだけ違いがあるが、都市の宿泊施設の経営者の声が大きいため、「まだ観光は苦しい」となっている。

星野リゾートの運営状況はどうなっていますか。

星野氏:星野リゾートも同じ状況だ。都市にある施設の中には相変わらず厳しいところがある。東京のOMO5東京大塚(東京・豊島)はインバウンドが7~8割だったためまだ厳しい。星のや東京(東京・千代田)は戻ってきてはいるが、昨年比で20~30%減となっている。一方、観光地の場合、星野リゾートはほとんどで需要が戻っている。