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 旬の「あの人」と対話ができる。参加者同士でつながれる──。日経ビジネスは、記事やイベント、動画を組み合わせた新しいコンテンツ「Raise LIVE」をお届けします。あなたも、このコミュニティーの一員になりませんか。

 金曜日は副編集長の中沢康彦が「星野リゾートの方程式2020」と題した連載と、イベント「学生・若手に!『星野リゾートの教科書』現場・実践編」を担当します。イベントでは「星野リゾートの教科書」「星野リゾートの事件簿」の著者でもある中沢が星野リゾートの担当者に現場の取り組みについて「公開取材」します。

 日経ビジネス1月20日号では、ケーススタディー「星野リゾート、成長持続に欠かせない『脱カリスマ』」を掲載しています。併せてお読みください。

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 長野・軽井沢発祥のリゾート運営会社、星野リゾートの成長ペースが加速している。国内だけでなく海外でのプロジェクトも増加傾向にある。成長のメカニズムやそれを支える仕組みをシリーズで解明していく。

 今回はこれまで知られていない施設の開発体制を明らかにする。

星野リゾートは台湾に「星のやグーグァン」を開業。海外案件の開発も本格化してきた

相次ぐ開業を支える

 星野リゾートは2019年、台湾・台中の「星のやグーグァン」、沖縄県竹富町「西表島ホテル」などが開業。海外案件である星のやグーグァンは台湾で初の運営。西表島ホテルはかつて運営していた既存施設の運営に、ブランドを変えて再び取り組む。運営する施設数は19年末時点で40カ所となった。

 20年には、海外で3カ所目の米ハワイでサーフジャックハワイの運営を1月から開始。国内でも「星のや」で客室数が最大規模となる「星のや沖縄」(沖縄県読谷村)、若い世代をターゲットにサイクリングをコンセプトに組み込む「BEB5土浦」(茨城県土浦市)などを新たにオープンする。

 事業拡大の一端を支えるのが、開発体制の整備だ。

 一昔前まで星野リゾートにおいて開発に携わるのは、代表の星野佳路氏ら数人のメンバーに限られていた。また、知名度が低かったことなどから、運営先を広げようとしても、なかなか見つからないことがあった。

 潮目が変わったのは、リゾナーレ八ヶ岳(山梨県北杜市)やトマム(北海道占冠村)など「再生が非常に難しい」とみられていた案件の高収益化だ。

 社員の現場の声を生かしながら地道な改善を続けると同時に、例えばスキーリゾートのトマムにおいて夏の雲海を名物に集客するなど、独自のマーケティング戦略を展開。知名度も次第に高まり、手がける案件の高収益化が次の案件を引き寄せる好循環が生まれていった。同時に、リート投資法人の設立、日本政策投資銀行とファンドを共同運営することなどによって所有を多様化。開発を加速している。

前オーナーの事情からいったん運営を離れていた沖縄・西表島の施設の運営に再び着手。施設名は「西表島ホテル」に(写真=栗原克己)

開発の担当者は約20人

 具体的にどのように開発を進めているのか。

 星野リゾートの開発スタッフはこのところ3年で約20人に増加している。商社、コンサル、銀行、証券、不動産など他業界の出身者が多いが、旅館・ホテルの運営を経験してから異動してきた生え抜き社員もいる。

 開発部門の拡大にともない、東京統合オフィス(東京・中央)と別に最近、近くのビルに新たに専用オフィスを開設した。