自己決断すれば幸福度が増す

 会社の名刺や肩書が借り物にすぎないと早い段階から自覚すれば、いや応なしに自分はどんな「What」を軸にキャリアを築いていったらよいのか、自律的に考え、行動せざるを得ない。そのきっかけは、どんな学びでもいいのかもしれない。

 立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長は、「人間が学び続けるには、『人・本・旅』しかない」と話す。「例えば、非営利団体(NPO)の活動などに週末参加してみるのもいい。NPOに集まってくる人は、会社にいる人たちとは全く違う顔ぶれになる。そこでは読む本も違う、活動する場所も違う」(出口氏)。会社とは異なる環境に意識的に身を置くことで、本当に自分が学びたい、自己実現したい何か=Whatに出合えるかもしれない。

 その結果、Whatは今勤めている会社の中に見つかるかもしれないし、社外に見つかるかもしれない。いずれにしても、自ら歩むべくキャリアを自分の意志で決定していけば、人生の納得感は増すはずだ。実際、京都大学名誉教授で独立行政法人経済産業研究所ファカルティフェローの西村和夫氏の研究(「幸福感と自己決定―日本における実証研究」)によれば、自己決定度合いが高いほど幸福感は増すと考えられるようだ。

 前回の記事には、以下のようなコメントもあった。

河田真之
子供好きの社会人
まず生きているからには働かないとご飯が食べれない状況を作ることが生物として合っていると思う。終身雇用と言っても、22歳〜60歳の38年を指している。寿命が80歳を超えれば、半分以下の時間に当たる。過去の当たり前を失う事が怖いからしがみついているだけだと思う。100歳を超えるのが当たり前になれば、3つくらいの専門性を持つのは当然だと思う。

 河田さんが指摘するように、人生100年時代、3つくらい専門性を持つのが当たり前になるのかもしれない。自分自身のWhatを見いだせれば、1つの専門性を突き詰めるか、複数の専門性を身に付けるかといった選択の助けにもなるだろう。逆に言えば、それを見いだせなければ、いつまでたっても自分の居場所を見つけられず、生きづらさを感じ続けることになりそうだ。

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